『スパイ教室06 《百鬼》のジビア』はどんなストーリー？
◆どんなストーリー？
『鳳』の訃報を突然報された『灯』は、
任務を引き継ぎ、フェンド連邦に潜入する。
『鳳』は皇太子暗殺の容疑が貼られていた。
『灯』は彼らを襲撃した犯人に復讐するため、
智謀の策をめぐらし、真相を追うストーリー。
◆主要人物
クラウス……スパイチームの指揮官
リリィ『花園』……銀髪の１７歳
ジビア『百鬼』……白髪の１７歳
サラ『草原』……茶髪の１５歳
ティア『夢語』……黒髪の１８歳
グレーテ『愛娘』……赤髪の１８歳
モニカ『氷刃』……蒼銀髪の１６歳
アネット『忘我』……灰桃髪の１４歳
エルナ『愚人』……金髪の１４歳
『スパイ教室06 《百鬼》のジビア』
竹町（著）
トマリ（イラスト）
KADOKAWA
『スパイ教室06 《百鬼》のジビア』の感情トリガー
※：本ページの情報は2023年3月時点のものです。
最新の配信状況はU–NEXTサイトにてご確認ください。
【感情のトリガー↓】446ページ（スマホ）
①尋問【ー】
②捜索【怪・怪・謎】
③目星【呆・呆・驚・蟠/怪/謎】
④陽動【解・察・定】
⑤黒幕【察・驚・楽・呆/驚】
トリガー数：17
【トリガーの内訳】
①尋問（白髪ジビアが同盟国の尋問を受ける）
②捜索（行方不明になったランの痕跡を追う）
├忘我の発言【怪】（ﾝ⁉︎ ﾅﾝﾀﾞﾛｳ?）113
├撥ねた車両【怪】（ﾝ⁉︎ ﾅﾝﾀﾞﾛｳ?）130
└謎の警告文【謎】（ﾅｿﾞ）142
③目星（『鳳』を襲撃した犯人の目星がつく）
├暗殺の報告【呆】（ｯ⁉︎——）210
├ござるの女【呆】（ｯ⁉︎——）234
├襲撃の黒幕【驚】（ｴｯ⁉︎ ｲｶﾞｲ）261
└正しい復讐【蟠/怪/謎】（ｷﾆﾅﾙ）273…
④陽動（『灯』の巧妙な罠に敵を嵌める）
├撥ねた車両【解】（ﾅﾙﾎﾄﾞ）293
├カワラバト【察】（ﾏｻｶ…）319
└車の発信機【定】（ﾔｯﾊﾟﾘ）333
⑤黒幕（『鳳』を壊滅させた黒幕が発覚する）
├修道服の女【察】（ﾏｻｶ…）374
├襲撃犯は別【驚】（ｴｯ⁉︎ ｲｶﾞｲ）403
└拠点の火事【呆/驚】（ｯ⁉︎/ｲｶﾞｲ）432
【刺激された感情の種類：9種】
幸福：0
賛美：0
驚度：6
驚＝予想外の出来事（3）
呆＝突然で呆気にとられる（3）
思考：6
解＝不可解が解明される（1）
謎＝行動や現象に不可解を残す（2）
定＝察した予想がピタリと一致（1）
察＝ヒントから展開の予測がつく（2）
不幸：1
蟠＝中途半端でまだ未解決（1）
恐怖：3
怪＝様子に違和感を覚える（3）
攻撃：0
乗気：1
楽＝期待感に心が弾んでいる（1）
①尋問【ー】
あらすじ——
龍沖で対決した『鳳』の５名は殉職していた。
残りの１名は行方不明。
ジビアは『鳳』が殺された経緯を調べるため、
行方不明の『浮雲』の足取りを追うことにした。
しかし、フェンド連邦の諜報機関に捕まり、
ジビアは『操り師』アメリの尋問を受けるのだった……
————————
『灯』と『鳳』が交流していた、
回想シーンがカットバックで流れます。
②捜索【怪・怪・謎】
あらすじ——
『鳳』は皇太子暗殺の容疑をかけられていた。
フェンド連邦はその生き残りを捜しており、
目的が一緒の『灯』は彼らに協力する形となる。
クラウスはアメリたちと共同捜査を開始し、
行方不明のランの足取りを追いかけた。
クラウスはジビアと共にランを見つけるため、
資産家が催す〈白鷺の館〉に潜入する……
————————
❶忘我の発言【怪】
室内で灰桃髪アネットと茶髪サラが、
テレビのニュースを見ているシーン。
狭いマンションの中。（フェンド連邦？）
脱衣所から出てきた茶髪サラは、
櫛を取りにリビングへ向かった。
すると、眼帯をしたアネットがソファに座り、
黙ってニュースを見ている姿が視界に入る。
『ダリン皇太子殿下を狙った爆破テロ事件』
先月起きた、そのニュースが流れていた。
ダリン皇太子が研究センターを訪問した当日、
不審な荷物が見つかり、二名の職員が爆発で死亡。
さらに十名の重傷者を出していた。
犯人はいまだ見つかっておらず、捜索中——。
ダリン皇太子——
ライボルト女王のご子息。
国民からの絶大な人気があり、
世界各国との友好関係を築き上げた人物。
彼の映像をみてアネットが突つと声をあげた。
「俺様っ、このおじさん、気になりますっ」
サラが訳を訊ねると、アネットは答えなかった。
外の霧がモヤモヤと濃くなっていく。
すると、アネットは突然たち上がり、
「クラウスの兄貴からの密命ですっ」
と言って、
サラを置いて部屋を飛び出していくのだった。
——ん！？ なんだろう？（怪）
皇太子が『鳳』を嵌めたのだろうか？
密命ってなんだ？
————————
❷撥ねた車両【怪】
白髪ジビアがフェンド連邦の車で、
『ベリアス』の副官達と同乗しているシーン。
『鳳』の失踪者・ランの共同捜査を開始した。
ディン共和国の対外情報室の新鋭『灯』。
フェンド連邦の防諜専門部隊『ベリアス』。
フェンド連邦の首都〈ヒューロ〉。
工業が栄える都市のため、
排出される煙の霧がとてもふかい。
すでに外は暗くなり、白い霧が車窓に映る。
ジビアは後部席に座っていた。
運転席と助手席には副官の男女が座っている。
『蓮華人形』——
『ベリアス』の副官。
修道服を纏った優しげな顔の女性。
と、
『自壊人形』——
『ベリアス』の副官。
黒いシルクハットとスーツの少年。
『操り師』のアメリの命令に動く彼らと共に、
国会議事堂周辺を通っていたときのこと——
ドンッ、と何かに車が衝突した。
車を止め、副官達が外を確かめた。
街路樹の枝にぶつかったようで、
そのまま気にせず車を走らせるのだった。
——こりゃ、なんかあるぞ。（怪）
もしかしたら、アネットが何かした？
ＧＰＳ的なものを設置したのかも。
これ、ぜったい伏線のはず。
————————
❸謎の警告文【謎】
ランが『灯』に送ったとされる通信室に、
クラウスとアメリたちが入室するシーン。
フェンド連邦郊外〈ディン共和国の通信室〉。
首都を見下ろすように聳える山の中腹に、
ぽっかりと整備された平らな地にある建物。
簡素な二階建てで、
ショベルカーなどの重機械が置かれている。
『べリアス』と一緒にやってきたクラウス。
入室するなりアメリの鋭い観察力が発揮する。
アメリ『操り師』——
２７歳。
防諜専門部隊『べリアス』のボス。
長身で目には真っ黒なクマがあり、
不気味なほどの肌の白さと共に、
ゴシック系の雰囲気がある女性。
フリルの多い黒のフレアスカートを纏っている。
彼女は通信室の物色を開始し、
３つの点を指摘していた。
①通信機の表面に落ちていた大量のパンくず
②『ギリギリまで我慢！』と書かれた張り紙
③扉の開閉による排水溝の匂いのムラ
さらにアメリは床に落ちていた布片を拾い、
屋敷にあるカーペットだと推測した。
そこに『浮雲』のランは通っているはず、と。
——ギリギリまで我慢？（謎）
やっぱり『鳳』は生きているのでは？
なんか、その線が強くなってきました。
③目星【呆・呆・驚・蟠/怪/謎】
あらすじ——
アメリに動かされていたクラウスたちは、
『鳳』を襲撃した犯人に目星をつけていた。
今回の共同捜査でそれが確信に変わり、
『灯』は同胞の仇敵に復讐することを決意する。
————————
❶暗殺の報告【呆】
『操り師』アメリがジビアの前で命令を下し、
国内の裏切り者を見せしめに瞬殺するシーン。
クラウスとジビアは〈白鷺の館〉に潜入し、
舞踏会場のホールでワルツを踊っていた。
ランの捜査の指揮をとるアメリの指示である。
〈白鷺の館〉──
資産家デイヴィッド・クリスが所有する屋敷。
目玉は社交ダンスにあり、
立食ディナーが振る舞われるホールで、
オーケストラの生演奏と共に、
参加者はワルツを踊る。
踊りには家柄、才能、人脈などが現れるため、
その人の特色が窺える催しとなっている。
大胆に踊りで転んでしまったジビアは、
副官の『蓮華人形』と交代し、
『自壊人形』の見張りつきで控室に戻った。
そこに、見物していたアメリも現れ、
ジビアは屋外に連れていかれる。
ガルガド帝国に寝返った国内のスパイ。
そいつが屋敷の裏にあるテラスにいるとのこと。
アメリは指揮棒を振りあげ、
部下たちに指示をくだす。
周りの住民に気づかれず、
彼らはあざやかにスパイの男女を捕らえた。
そして、一人が瞬殺される……。
その様子に白髪ジビアは呆然と佇むばかり。
さらに藪から棒のようなことが起きだす。
『ベリアス』の新たな部下が駆けてきて
こう言ったのだ——
「先ほど——ダリン皇太子が暗殺されました」
——ッ！？——（呆）
なんだって！？
事実なのか偽装工作なのか不明ですね。
————————
❷ござるの女【呆】
『灯』の拠点にジビアが帰ってくるシーン。
『灯』の拠点であるマンションの一室。
ザアザア…と暗い空から降る豪雨のなか、
金髪エルナはミルクスープを多めに作っていた。
そこへ白髪ジビアがびしょ濡れのままもどり、
エルナにこれまでの事情を説明した。
その後、
風邪を引くからシャワーを浴びてくると言い、
ジビアが会話を終えようとしたとき——
「まったくでござる」
新たな声が加わった。
振り向くと、
シャワーを終えたばかりのランの姿があった。
——ッ！？——（呆）
アレ——ッ！？
『浮雲』のランが普通にいるやんけ！
えっ？ みんな知ってたの？
————————
❸襲撃の黒幕【驚】
『灯』が巧妙に罠を張りめぐらし、
『鳳』の襲撃犯を突き止めるシーン。
『鳳』の仲間が殺されたのは事実だった。
『灯』は通信室で倒れていたランを発見し、
襲撃犯を特定するための罠を張り巡らせた。
フェンド連邦でランに騒動を起こさせ、
執拗なまでの捜査をする組織を突き止める。
そいつらが『鳳』を襲撃した犯人だと推測。
各地で発砲事件をくりかえし、
白髪ジビアが囮となって現れる。
防諜専門部隊『べリアス』のまえに。
『鳳』を襲った犯人の正体とは——
共同捜査をしていたアメリの組織であった……。
——エッ！？（驚）
というか、
本当に『鳳』は殺されていたんですね。
こっちのほうが意外でした……。
————————
❹正しい復讐【蟠/怪/謎】
『灯』の拠点に、
クラウスとティアが戻ってくるシーン。
『灯』の拠点であるマンションの一室。
クラウスとティアが戻り、
メンバーは６人となる。
悠然とした最強スパイ、黒長髪クラウス。
艶かしい肢体の司令塔、黒長髪ティア。
幼稚で慈しいツインテール、金髪エルナ。
度胸のある勇猛なショート、白髪ジビア。
唯我独尊のアシンメトリー、蒼銀髪モニカ。
「ござる」を連用する陽気な女、臙脂髪ラン。
他のリリィ、アネット、サラは、
まだ水面下で活動中。
６名のメンバーが集まるなか、
クラウスは断言していた。
『鳳』を襲撃したのは『ベリアス』だ、と。
ただ、ここで問題が発生する。
それは——
『ベリアス』が誰かに操作されていたこと。
彼らは本気で思っていたのだ。
『鳳』が皇太子の暗殺を目論んでいると。
つまり——
『鳳』を嵌めた本当の首謀者が別にいる。
そして首謀者は本当に皇太子を暗殺したのだ。
しかし、
いくら偽の情報を摑まされた被害者とはいえ、
同胞の『鳳』を殺ったのは許されない事実。
そこでクラウスはみんなに言ったのだ。
『ベリアス』に正しい復讐をする、と。
その復讐の全容を、
クラウスは少女たちに伝えるのだった。
——気になる〜。（蟠）
なんですかね、正しい復讐って？
『ベリアス』の犯した罪のない人達への殺人を証明し、彼ら全員を有罪にもっていくとか？？
クラウスから復讐の全容を告げられると、
蒼銀髪モニカが何も言わずに飛び出していった。
その姿に、クラウスは違和感を覚えていた……。
——ん！？ なんだろう？（怪）
『ベリアス』の襲撃に出向いたのか？
それとも本当の黒幕に心当たりでもあるのか？
珍しく感情的になっていたクラウス。
それを金髪エルナに指摘され、
彼はこう述べていた。
少々乱暴なカードを切った。
彼女がその真価を示すのは、
このような局面だ
——彼女って？（謎）
いい感じに焦らしてきますねぇ。
④陽動【解・察・定】
あらすじ——
『灯』の仕掛けた罠により、
『鳳』を襲った組織が浮上した。
同胞の無念を晴らすため、
クラウスは珍しく過激な手段を下すのだった。
それは敵組織を一匹残らず蹂躙すること。
かくして、『灯』と敵組織との戦闘が勃発する……
————————
❶撥ねた車両【解】
アメリの副官『自壊人形』が、
灰桃髪の少女に接触するシーン。
フェンド連邦の首都〈ヒューロ〉。
冷たい雨がザァザァ…と強く、
濃い霧がモクモクとたち籠る夜の裏道に、
『自壊人形』の少年がやってきた。
確かめて置きたい案件があったのだ。
すると、深夜にもかかわらず、
傘を差している幼気な少女が道に立っていた。
少女の前には花束が床に置かれている。
『自壊人形』が声をかけると、
金髪の少女が轢かれたと、傘の少女は答えていた。
少年は轢かれた遺体について少女に訊ねた。
灰桃髪の少女は人けのない裏路地に彼を案内した。
『自壊人形』は目撃者を屠ろうと金槌を持ち出す。
灰桃髪の少女は立ち止まり、
『自壊人形』が犯人であると本人に言い出した。
彼が白髪の少女を乗せていたときに少女を轢き、
そのまま走り去っていったのを見ていたのだ。
『自壊人形』は金槌を灰桃髪に振り上げた。
しかし、彼は少女の恐ろしさに驚愕する。
彼女は純真無垢の裏側にある、
サイコパスのような冷酷さを秘めたスパイ——
『忘我』のアネットだったのだから……。
——伏線回収！（解）
クラウスが言っていた真価を問う少女とは、
きっと、アネットのことだったんですね。
エルナが室内で氷嚢を当てていたのも、
車に体当たりをしていたから。
————————
❷カワラバト【察】
部下が捕らえた不可思議な電波の報せで、
アメリが再び通信室に出向くシーン。
ヒューロのテレコ川沿いにある巨大な建物。
四つの尖塔が囲むように聳えている。
そこにフェンド連邦諜報機関の本部があった。
最高司令官・ハイジの指示で、
『浮雲』の抹殺を命令された『操り師』アメリ。
彼女は『蓮華人形』からの報せを受けていた。
昼間訪れた通信室から電波を確認したのだ。
そこには二人の部下を監視につけている。
部屋には鍵も掛けられているため、
侵入はできないはず……。
もしかして『浮雲』の仕業なのか？
アメリは確認しに、
ディン共和国の通信室に再び出向いた。
それは首都郊外にあり、
山の中腹にたたずむ簡素な二階建ての建物。
アメリは１１人の部下をともない、
部屋の中にいる人物の抹消にとりかかる。
しかし、解錠した部屋の中にいたのは——
パンくずを頬張るカワラバトだけだった。
鳩が通信機のボタンを叩いていたのである。
——まさか……（察）
茶髪サラの鳩でしょうか？
————————
❸車の発信機【定】
金髪エルナの仕掛けた不幸で、
クレーン車が崖から転落してしまうシーン。
まんまと通信室に誘き寄せられたアメリ達。
屋外からクラウスと少女たちが現れる。
敵の通信機はすべて破壊済み。
山中のため、携帯の電波も通じない。
つまり、助けを呼ぶことは不可能。
しかし、アメリにも勝機はあった。
それは自分がクラウスたちを引きつけ、
その間に部下を逃がすこと。
仮令じぶんが殺されても、
部下の一人が逃げきれば勝算がある。
『灯』の悪事を本部につたえれば、
戦争を起こしてディン共和国は壊滅。
部下を裏口から逃がし、
森に隠しておいた車で逃走させれば——
突然、重機械が動きだした。
ぽっかりと平らな地に置かれたクレーン車だ。
その隣りに金髪の少女が立っていた。
エルナだ。
クレーン車は強風で崖したに転落し、
敵の唯一の脱出手段である車に激突。
みごとに大破した。
近くで戦慄しながら見ていたティアが、
エルナに訊ねていた。
『ベリアス』の隠していた車を、
どうやって分かったのか、と。
エルナは答えた。
轢かれたときに発信機をつけた、と。
——やっぱりね！（定）
予想が当たるこの快感がたまらない！
⑤黒幕【察・驚・楽・呆/驚】
あらすじ——
『灯』は見事『ベリアス』を完敗させた。
が、『鳳』を倒したのは別の人物であった。
『灯』はヴィンドの残した手がかりを発見し、
犯人の特徴をようやく掴むことになる。
『ベリアス』の拠点から情報収集するため、
『灯』の数名がすでに向かっていた。
しかし、何者かによって拠点は燃やさる。
リリィとジビアが遅れて駆けつけた時、
中にいた仲間は皆倒されていたのだった……
————————
❶修道服の女【察】
敗北を悟ったアメリのもとに、
副官の『蓮華人形』が現れるシーン。
フェンド連邦の防諜専門部隊は、
『灯』の詐術に嵌まり、敗北を喫した。
膝をつき絶望するアメリの前に、
ある人物が現れる。
修道服を纏った女『蓮華人形』だ。
時はワルツのダンスまで遡る。
クラウスとジビアが大袈裟に転んだとき、
近くで踊っていた『蓮華人形』に衝突した。
彼女は立食用テーブルの下に転がりこんだ。
そこにリリィが潜んでいたとも知らず、
少女の毒針によって気を失う。
ジビアは『自壊人形』を引き離すため、
『蓮華人形』と交代することにした。
かくして『灯』の仕掛けは完成されたのだった。
アメリは目の前にたつ『蓮華人形』に驚愕。
唯一の希望がなぜここに立っているのか？
『灯』の襲撃に気づき、
本部に連絡してくれてると思っていたのに……
——まさか……（察）
変装の達人といったらあの少女——
静淑たる赤髪のグレーテ。
彼女が『蓮華人形』に扮していたのか？
————————
❷襲撃犯は別【驚】
クラウスがアメリに尋問するシーン。
ヒューロの端にある山奥。
深夜から未明にかけて、
『ベリアス』の部下達は全て拘束された。
『蓮華人形』は別の場所で監禁され、
『自壊人形』はアネットに拘束されている。
彼らの生殺与奪はクラウスの手に握られていた。
『灯』の圧倒的な勝利に観念したアメリ。
結局、彼女は何一つ証拠を掴んではいなかった。
『鳳』を襲ったのはただ上司の命令に応じただけ。
最高司令官が黒と言えば必ず黒なんだ——
アメリはそう盲信していたのである。
が、『鳳』の死に不審を感じていたのは事実。
クラウスも直感でそれに気づいていた。
アメリは彼に聞き返していた。
どうして、そのことを訊ねるのか、と。
クラウスはこう言った。
お前程度が、『鳳』を殺せるはずがない。
——なにっ！？（驚）
まさかの展開。
いったい、誰が襲撃したの？
————————
❸新たな仲間【楽】
『灯』がヴィンドの残した伝言を発見し、
クラウスがリリィたちに指示を出すシーン。
ヒューロのテレコ川上流の近辺。
プラムの木が連なる寒々とした丘に、
『灯』の４名と『浮雲』のランがいた。
ここは『鳳』の死体があった場所。
クラウスがアメリから聞き出していたのだ。
『鳳』のボス・ヴィンドはタダじゃ死なない。
必ず手がかりのようなものを残しているはず。
クラウスの読みは当たっていた。
実のないプラムの木に暗号が書かれていたのだ。
『鳳』を襲った犯人は２名いた。
右腕に特殊な義手をつけた——男。
『翠蝶』と呼ばれていた——少女。
クラウスは『蛇』が絡んでいると睨む。
彼はこの国に来るまえ、
少女たちとある作戦を考えていた。
『灯』に新たなスパイを加える、と。
その者はすでに、この国に潜伏している。
リリィとジビアを仲間の許へ行かせた後、
クラウスは呼びかけた。
コードネーム『炯眼』——
準備はいいか？
——おお！（楽）
こりぁ、楽しみですね！
次巻で登場するのかな？
————————
❹拠点の火事【呆/驚】
リリィとジビアが『ベリアス』の拠点に向かうシーン。
フェンド連邦の首都にある——
ベリアスの拠点〈カッシャード人形工房〉。
すでに他のメンバーが向かっていた。
ティア、グレーテ、アネット、エルナが。
まだ夜が明けるまえの未明。
銀髪リリィと白髪ジビアもやってきた。
仲間と合流するはずだったのだが……
火事だ。
『ベリアス』の拠点が燃えているのだ。
その建物の前で二人の女が呆然と立っていた。
アメリと『蓮華人形』。
リリィとジビアにアメリは呟いていた。
アナタたちの仲間が……
人形工房の二階が燃えており、
一階にはまだ火が移っていない。
慌ててリリィとジビアが駆けつける。
すると、入口まえで誰かが倒れていた。
背中から大量の血を流している——
赤髪グレーテが……。
——ッ！？——（呆）
ホワァッツ！？
いったい、何があったの？
グレーテだけではなかった……。
床に頽れている血塗れのティア。
燃え盛る二階の床に倒れ伏していたエルナ。
たった今、壁に吹っ飛ばされたアネット。
リリィとジビアは硬直したまま動けない。
視界に、信じられない光景が映っていたのだ。
一人は『翠蝶』と呼ばれる少女の姿。
そして、そのよこには————
蒼銀髪のモニカの姿があったのだ。
——嘘でしょ！？（驚）
まさかの裏切り？
これもなにかの陽動作戦？
もう、訳がわからんぞ……。
『スパイ教室06 《百鬼》のジビア』
竹町（著）
トマリ（イラスト）
KADOKAWA
あとがき
◆戦略の考案がよく出来ています！
各々が違う特性を持っている少女たちを、
漏らすことなく敵の欺きにつかう構成力——
天才としか言いようがありません。
ちゃんと、みんな仕事してますからねぇ。
この騙し合いが一番の魅力なんで、
『鳳』が殺されたと言われても、
「またまたぁ、どうせ偽装でしょう」
なんて思っておりました。
彼らが少女たちに託す詐術のヒントなんかも、よく上手くマッチさせてるよなぁ、と感心するばかり。
竹町先生の次作が楽しみです！
『スパイ教室06 《百鬼》のジビア』
竹町（著）
トマリ（イラスト）
KADOKAWA
『スパイ教室06 《百鬼》のジビア』の用語集
体言（物の名前・指示）
フレアスカート（腰から裾にかけてのシルエットが朝顔のように広がったスカート）
蜜月（関係が親密であること。「ー時代」）
俊豪（才知が常人よりすぐれていること）
愛玩動物（獣医師法に規定する飼育動物のうち、犬、猫、その他政令で定める動物）
フラット（共同住宅の住戸の一形式。住戸が1階なら1階、2階なら2階におさまる形式）
台頭（頭を持ち上げること。勢力を得てくること）
籠絡（他人をうまくまるめこんで、自分の思う通りにあやつること）
益虫（害虫を食べたり受粉を媒介したりして、人類に役立つ昆虫）
十全（少しも欠けた所がなく、すべて完全なこと。万全）
バラック（一時的に建てた、粗末な（木造）家屋）
カワラバト（ハト科カワラバト属に属する鳥類の一種）
ロードローラー（地面をローラーで踏み固める建設機械の総称）
炯眼（ぎらぎら光る目。鋭い眼力）
動詞（ウ段で終われる）
滾らす（たぎるようにする。煮えたたせる。わきあがらせる）
形容動詞（～だった、～です）
酔狂（好奇心から人と異なる行動をとること。その様）
エキセントリック（普通のものとひどく変わった様。風変わりな様）
明敏（物事の要点や本質をすばやくさとること。その様）
闊達（度量が大きくて、小さな物事にこだわらない様）
不躾（礼を欠くこと。無作法なこと。その様）
健啖（好き嫌いなくよく食べること。その様）
四字熟語
勇猛果敢（勇気があり思い切って実行に移すこと）
喜色満面（嬉しそうな表情の様子）
驚天動地（天を驚かし地を動かすこと。震天動地）
理路整然（筋道の立った話し方や文章の組み立て）
形容詞（「い」で終わる）
恙ない（病気・災難などがなく日を送る）
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