
『スパイ教室07 《氷刃》のモニカ』はどんなストーリー?
◆どんなストーリー?
モニカの裏切りが発覚した『灯』は、
彼女の捜索を開始する。
そんな時、第二の暗殺事件が起こり、
モニカが容疑者として報道される。
大事な仲間であるモニカを連れ戻すため、
『灯』が事件の真相を追うストーリー。
◆主要人物
クラウス……スパイチームの指揮官
リリィ『花園』……銀髪の17歳
ジビア『百鬼』……白髪の17歳
サラ『草原』……茶髪の15歳
ティア『夢語』……黒髪の18歳
グレーテ『愛娘』……赤髪の18歳
モニカ『氷刃』……蒼銀髪の16歳
アネット『忘我』……灰桃髪の14歳
エルナ『愚人』……金髪の14歳
『スパイ教室07 《氷刃》のモニカ』
竹町(著)
トマリ(イラスト)
KADOKAWA
『スパイ教室07 《氷刃》のモニカ』の感情トリガー
※:本ページの情報は2023年3月時点のものです。
最新の配信状況はU–NEXTサイトにてご確認ください。
【感情のトリガー↓】496ページ(スマホ)
①背反【謎・察】
②誘拐【察・謎・定・解・慮・褒】
③難戦【驚/解・突・慮・慮・安/驚】
④謀略【察・定】
⑤窮境【蟠】
トリガー数:18
【トリガーの内訳】
①背反(モニカの裏切りに仲間が困惑する)
├攫った理由【謎】(ナゾ)34
└同じ常套句【察】(マサカ…)82
②誘拐(クラウス達が記者の編集長を誘拐する)
├隠した感情【察】(マサカ…)104
├新聞の一面【謎】(ナゾ)138
├モニカの恋【定】(ヤッパリ)141
├翠蝶と氷刃【解】(ナルホド!)176
├人攫の作戦【慮】(コウシタラ)188
└人攫の完遂【褒】(ブラボー!)202
③難戦(モニカとクラウスが対決する)
├鳳の背叛者【驚/解】(エッ⁉︎/ナルホド!)235
├燎火の攻略【突】(オイオイ!)255
├殺さず倒す【慮】(コウシタラ)268
├銃弾の攻略【慮】(コウシタラ)282
└生徒と対決【安/驚】(ホッ/エッ⁉︎ )295…
④謀略(ティアが『翠蝶』に一杯食わす)
├モニカの謀【察】323
└モニカの謀【定】387
⑤窮境(モニカの前に『蛇』の連中がやってくる)
└窮すモニカ【蟠】471
【刺激された感情の種類:10種】
幸福:1
安=不安・恐怖が解消される(1)
賛美:1
褒=解決策に納得する(1)
驚度:2
驚=予想外の出来事(2)
思考:12
解=不可解が解明される(2)
謎=行動や現象に不可解を残す(2)
慮=悪い状況の打開策を考察(3)
定=察した予想がピタリと一致(2)
察=ヒントから展開の予測がつく(3)
不幸:1
蟠=中途半端でまだ未解決(1)
恐怖:0
攻撃:1
突=予期しなかった相手の誤り(1)
乗気:0
①背反【謎・察】
あらすじ——
『灯』の一員であるモニカが『蛇』に寝返り、
仲間への奇襲を行なっていた。
さらにグレーテを拉致し、消息は不明……。
クラウスたちは、モニカの狙いを探るため、
彼女の捜索を開始する……
————————
❶攫った理由【謎】
状況確認をするため、
残った『灯』メンバーが拠点に集まるシーン。
フェンド連邦の防諜専門部隊の拠点で、
明朝、思わぬ惨劇が起きていた。
二階建て地下一階の古き良き煉瓦造り——
『カッシャード人形工房』にモニカが現れ、
そこにいた『灯』の仲間を襲っていたのだ。
エルナ、ティア、グレーテ、アネット、
彼女たちはみんなモニカにやられた。
今、ティアとアネットは病院で手術中。
クラウスは残りのメンバーと拠点に戻った。
任務用に借り上げたアパートである。
銀髪リリィ、白髪ジビア、金髪エルナの3人。
ランとサラはアメリの部下たちの見張りで、
ここにはいない。
クラウスがグレーテの様子を聞いていた。
リリィとジビアが目撃したのは、
大量に血をながしていた彼女の姿だけ。
生死の確認は、していなかった。
まだ救える命を優先していたからである。
その後、クラウスも駆けつけ、
火災現場を捜索した。
しかし、グレーテの遺体は見つからなかった。
クラウスは推測した。
必要があって攫われたのだろう、と。
——ナゾ。(謎)
どうしてグレーテを攫ったのか?
クラウスを倒すための人質か?
彼女をクラウスに変装させ、
共和国のスパイだという事を公にするためか?
————————
❷同じ常套句【察】
父の借り上げたアトリエで、
モニカがラベンダーの青年と話すシーン。
モニカの両親はどちらも芸術家だった。
画家の父に、楽人の母。
裕福な家庭育ちで、
モニカも芸術の道を強いられていた。
ムザイア合衆国から戻ってきたのが12歳。
ディン共和国に根付いたモニカは、
父のアトリエに籠るようになった。
戦争中、他所の国に逃げていたからである。
逃げれなかった人達の妬みは深かった。
13歳を迎えたころ、
モニカは不思議な男と出遇っていた。
ラベンダーの香水をつけた父の弟子である。
ラベンダーの青年——
歳は二十代半ば。
目鼻立ちがハッキリしており、
金髪の女性受けしそうな映える容姿。
誰と話しても朗らかな笑顔を見せ、
軽快なトークをしてみせる社交性がある。
だが、目の奥には、
全てを見透かすような雰囲気を感じさせる。
彼は変なことを言っていた。
ここのアトリエを出入りしている男が、
明日逮捕される、と。
そして、それは的中する。
男同士による如何わしい行為がバレたのだ。
この国での同性愛は科であり、
決して許されない行為であった。
ラベンダーの青年が去るまえ、
モニカに言っていた。
その男はガルガド帝国のスパイの支援者だと。
絵のなかに武器を隠して輸送していたのだ。
そして、モニカを誘った。
ディン共和国の諜報機関に。
スパイの養成学校を勧めたのも彼だった。
モニカは彼から乗車券を受け取った。
ラベンダーの青年は最後に一言——
——極上だね。
と言って、モニカと別れたのだった。
——マサカ……(察)
青年って、もしかしてクラウスの家族?
だとすると、年齢的に兄のような気がする。
②誘拐【察・謎・定・解・慮・褒】
あらすじ——
『灯』は二班に分かれ、
モニカと『蛇』の情報を集めていた。
捜査開始から十一日目、
第二の暗殺事件がニュースに流れる。
新聞の一面には容疑者の写真が載っていた。
そこに写っていたのはモニカの姿だった。
クラウスは記者から情報を聞きだすため、
エルナを相棒に新聞社へ乗りこむ……
————————
❶隠した感情【察】
一番最初の不可能任務を遂げた後、
『灯』の少女たちが荷台の上で、
初任務の成功を悦び合うシーン。
ガルガド帝国のエンディ研究所にある、
殺人ウィルス『奈落人形』を奪還する——
『灯』はこの不可能任務を、
味方の誰一人失うことなくやり遂げていた。
少女たちは事前に用意していた荷車に乗り、
クラウスよりも一足早く帰国した。
その荷台の上では、銀髪リリィが大はしゃぎ。
初任務の達成で歓喜していたのだ。
蒼銀髪モニカに飛んで抱きつき、
その悦びを共有しようとする。
リリィに抱きつかれた時、
モニカの心に衝撃が走った。
動悸が起こり、汗が噴きだしていた。
そして、彼女は悟ったのだ。
この感情は、いずれ自身をほろぼす。
モニカは徹底して隠すことにした。
この弱点足り得る危険な感情を……。
——マサカ……(察)
モニカの恋してる相手って、
リリィのことだったのか?
以前、ティアが願望を読み取ってましたよね。
あなた、恋してるのねって。
————————
❷新聞の一面【謎】
『蛇』の情報を探っていたクラウス達が、
テレビで二度目の暗殺事件を知るシーン。
『灯』は二班に分かれた。
第一捜査班……ティア、ジビア、リリィ。
彼女たちはモニカの行方を追う。
第二捜査班……クラウス、エルナ。
彼らは『蛇』の情報を集める。
そして、捜査から十一日目。
二度目の暗殺事件が起きた。
被害者は女性科学者だった。
『灯』の拠点——アパートの一室。
早朝のテレビで事件を知ったクラウスに、
エルナが慌てて彼を呼んだ。
皇太子と科学者を襲撃した犯人が——
新聞の一面に大きく載っている、と。
室内にいたクラウスとアメリも驚愕した。
そこに写っていたのは——
蒼銀髪の少女——モニカの姿であった……。
——ナゾ。(謎)
いったい、誰がモニカを撮ったのか?
これが自作自演だとすると、
姿を公開する狙いとはなんなのか?
————————
❸モニカの恋【定】
『屍』の捕縛任務で非選抜組が不在中、
モニカがリリィの部屋を訪れるシーン。
二番目の任務のこと(二巻の譚)。
『灯』は二つの班に分かれていた。
選抜組……モニカ、エルナ、アネット、ティア。
彼女たちが『屍』を捜査し捕縛する。
非選抜組……リリィ、ジビア、グレーテ、サラ。
彼らは暗殺対象者を守りながら、
『屍』の協力者を探しだす。
『灯』の本拠地〈陽炎パレス〉。
そこに選抜組の少女たちが残っていた。
モニカはあることを確かめようと、
任務で不在のリリィの部屋をおとずれる。
モニカは彼女のベッドに横たわり、
しずかに目を閉じた。
すると、心臓がドキドキしてきて、
期待で胸がモンモンとしてくる。
今の状況に喜びと罪悪感を覚えていた。
モニカはついに自覚するのだった——
リリィに恋をしているのだと。
——やっぱり!(定)
なんだか切ないですねぇ……。
しかし、だからと言って、
リリィとくっつくのも見たくない……。
メンバーの誰も恋人を作って欲しくない。
————————
❹翠蝶と氷刃【解】
モニカが『ベリアス』の拠点を、
ビルの屋上から監視していたシーン。
同胞の『鳳』を襲った犯人を探すため、
クラウスとジビアが防諜専門部隊と手を組み、
〈白鷺の館〉に潜入していたときのこと。
蒼銀髪モニカはベリアスの拠点——
『カッシャード人形工房』を監視していた。
黒髪ティアが人質として拘束されているのだ。
『灯』が裏切ったときの保険として。
工房周辺のビルの屋上に、
手持ち無沙汰なモニカが待機している。
すると、人の気配を彼女は感じた。
同じビルの屋上に、
軽やかに着地した少女が現れた。
コードネーム『翠蝶』——
妙齢。
ガルガド帝国のスパイで、
諜報機関『蛇』の一員。
ダンサー向けの肢体が美しく、
狡猾で嗜虐的な笑みをよく見せる少女。
両肩に稲妻のような大きな傷跡がある。
ここから始まるのだった——
モニカの悪夢の瞬間が……。
——なるほど!(解)
二人がいつ知り合ったのか謎でしたけど、
ようやく判明しましたね。
ジビアとクラウスがワルツを踊っている時。
モニカが『翠蝶』と遭遇したのは、
かなり最近のことだったんですねぇ。
————————
❺人攫の作戦【慮】
モニカを載せた記者を攫うため、
クラウスとエルナが新聞社を訪れるシーン。
『コンメリッド・タイムズ』の本社——
百年以上続く格式ある新聞社。
フェンド連邦の首都の中心にある、
八階建ての立派なビルで、
周辺の建物よりひと際たかく、
年月を感じる灰色の石造りの外壁が瀟洒。
皇太子を殺害した容疑者を載せたため、
新聞社の前には多くの市民が犇いていた。
入り口には警備員が立っており、
関係者以外を追い払っている。
そこにフェンド連邦の諜報機関が現れた。
車から屈強そうな男女8人が降りてくる。
容疑者を載せた記者から情報を聞き出すため、
拘引しにやってきたのだ。
それを近くでクラウスとエルナは見ていた。
今、貴重な情報源が奪われようとしている。
クラウスはエルナに言った。
リスクを冒すぞ——
そのために、今回お前を選んだんだ、と。
——コウシタラ(慮)
二人のキャラクターを動かし、このあと、
自分だったらどうやって誘拐してみせるか?
【情報を持っている記者の誘拐作戦】
1〉CIMの車の燃料タンクに穴を空ける。
2〉記者を拘引した組織がその車で移動する。
3〉道中でガス欠になり、車が止まる。
4〉エルナの不幸で他の車が衝突してくる。
5〉そこにクラウスが現れ、記者を拉致する。
これならわざわざ記者を探す手間が省け、
効率的に奪えるのでは??
————————
❻人攫の完遂【褒】
クラウスがエルナを利用して、
情報源の記者を攫うシーン。
新聞社の入口も裏口も警備員がおり、
建物に入ることは難しい。
そこで——
クラウスたちは隣りのビルから入り、
そこから新聞社にとびこんだ。
窓をぶち破り、社員に直接尋ねたのだ。
予め絞りこんだリストを見せれば、
相手の視線の動きで特定ができる。
40代半ばのアップルトン総編集長だ。
彼がモニカの写真を新聞に載せた人物。
CIMが受付の人に、彼の階を訊ねていた。
それを聞き、
クラウスたちが先にエレベーターで昇った。
編集長の部屋に入り、
クラウスは彼の前でエルナに発砲した。
エルナは血を流しながら倒れ伏した。
もちろん、血糊を使った偽装である。
ここでクラウスが消えれば、
駆けつけてきたCIMが編集長を疑うだろう。
拳銃には彼の指紋も付着させている。
少女殺害容疑で編集長は逮捕されるのだ。
なんとも強引で荒っぽい作戦。
だが、編集長はクラウスに従うしかなかった。
彼はクラウスと共にビルから脱走したのだった。
——ブラボー!(褒)
まさか諜報機関を逆に利用し、
編集長を冤罪で脅そうとするとは。
③難戦【驚/解・突・慮・慮・安/驚】
あらすじ——
新聞社に乗りこんだクラウスとエルナは、
モニカを載せた記者を見つけだし、
自分たちの拠点に連れこんでいた。
そこに『灯』を裏切ったモニカが現れ、
クラウスを荒廃した教会に誘き寄せた。
教会の中でモニカと対峙したクラウスは、
彼女を『灯』の許に連れもどすため、
ハンデを負った死闘に挑むのだった……
————————
❶鳳の背叛者【驚/解】
『蛇』側につけと打診されていたモニカが、
拠点に戻り、『鳳』のランと会話するシーン。
人形工房を見張っていたモニカは、
『蛇』の一員『翠蝶』と遭遇していた。
彼女はモニカの弱みを衝き、
『灯』を裏切れと脅していたのだ。
もし、『蛇』に寝返らなければ、
リリィが暗殺の容疑者として抹殺される。
『灯』の拠点——借り入れたマンション。
ヒューロの街につよい雨が降りだしていた。
そこに蒼銀髪モニカがもどってきた。
中にいるのは台所にいるエルナと、
昼寝から起きてきた『浮雲』のランのみ。
ラン——
17歳。
コードネーム『浮雲』。
養成学校の秀才組『鳳』のメンバー。
臙脂色の髪がピンと伸び、
はっきりとした目鼻立ちに、
中性的な顔立ちの少女。
気随な面もあるが凛然としており、
語尾に「ござる」をつけるなど、
武士語でしゃべるのが特徴。
ランはすぐにモニカの異変に気づいた。
しかし、『翠蝶』のことは相談できない。
モニカの襟元には盗聴器が仕込まれていた。
下手な動きを見せればリリィに危険が及ぶ。
モニカは話をうまく誤魔化し、
ランに言っていた。
クラウスを『鳳』のボスにしていれば、
味方の誰も死なずに済んでいたのに、と。
その発言を侮辱と捉えたランは、
『鳳』の下した結論に後悔はないと宣った。
結果論など無意味でござる、と。
それ聞きながら、
モニカは憐れみの情を心に隠していた。
彼女は『翠蝶』から聞かされていたのだ。
『鳳』にいた裏切り者のことを……。
——えっ!? 意外!(驚)
ラン以外の誰かなんだろうけど、
みんな亡くなっているから分からない。
モニカがリリィを守ろうとしたように、
ランの命をダシに使われたのか?
つい先刻、二重スパイを牽制させるために、
『翠蝶』はモニカに明かしていた。
『鳳』から寝返らせた人物のことを。
だから彼らの拠点を襲うことができたのだ。
しかし、そいつは土壇場で『蛇』を裏切った。
そのため、殺されることになったのだ。
翡翠色の髪をポニーテールで結え、
勝気な顔をした少女——『鼓翼』のキュール。
彼女が『鳳』を裏切っていたのだった。
理由は同じ。
メンバーの命の保証であった……。
——なるほど!(解)
————————
❷燎火の攻略【突】
『ベリアス』との激戦を終えたモニカが、
人形工房横の建物で『翠蝶』と会話するシーン。
『灯』は山中まで『ベリアス』を誘いだし、
アメリの部下たち全員の拘束に成功した。
それがタイムリミットだった。
モニカは決断しなければならない。
『灯』につくのか、『蛇』につくのか……。
『カッシャード人形工房』の横の建物。
戦闘を終えたばかりのモニカが待機していた。
すると、背後から『翠蝶』が現れる。
嗜虐的な笑みを湛えながら、彼女は言っていた。
裏切らなくても約五割の確率で助かる、と。
銀髪のリリィのことである。
なんせ、彼女の背後には燎火がいるのだから。
でも、必ず助かる保証はない。
だが、『蛇』につけば100%助かる。
どちらの選択がリリィを救うのに合理的か。
当然、『蛇』につくのが最適解だ。
そして、彼らの狙いもモニカは悟っていた。
世界最強のスパイ『燎火』の攻略法——
それは、敵ではない者に襲わせること。
——いやいや……。(突)
すでに何度も襲撃に失敗してるじゃない!
まだクラウスに一度も勝ったことないし。
————————
❸殺さず倒す【慮】
編集長を連れこんだ拠点を奇襲され、
教会に誘いこまれたクラウスが、
生徒のモニカと戦闘に入るシーン。
二本の尖塔がならぶ大きな教会。
罠を承知で敢然とクラウスがやってきた。
硝煙の香りがする身廊を通ると、
目の前には蒼銀髪のモニカがいる。
授業をしてよ、とモニカは言った。
クラウスは裏切った理由を訊ねた。
情報は奪うもの、モニカは答えた。
二人の戦いは避けられない……。
モニカは拳銃の発砲で距離を取り、
クラウスとの接近戦を警戒していた。
それに対し、彼が扱うのはナイフのみ。
銃を使うわけにはいかなかった。
銃撃戦で生徒を死なす可能性があるためだ。
モニカの戦闘力は非常に高く、
『灯』のなかではトップクラスに入る。
そんな彼女に、
クラウスはナイフ一本で挑むのだった。
——コウシタラ……(慮)
貫通しないゴム弾の銃を使えば大丈夫!
暴動鎮圧とかにも使われてますよね?
————————
❹銃弾の攻略【慮】
モニカとクラウスの戦闘シーン。
荒廃した教会の中。
モニカとクラウスが戦っていた。
というより、
モニカの一方的な攻撃が続いていた。
タイマーで作動する時限式小銃——
それがあらゆる位置に仕掛けられていたのだ。
数にして二百八十四丁もあるため、
銃弾の届かない死角は存在しない。
この圧倒的に不利な状況のなか、
クラウスはギリギリで弾を避け、
避けられない時はナイフの側面で弾いてく。
モニカも教会内を常に移動していた。
死角は存在しないが、全ての位置を知り、
放つタイミングをも知るモニカだけは例外。
避けてばかりのクラウスに疲労が見れる。
そう何度もナイフで弾くことはできない。
このままではいつか銃弾を受けるだろう。
すると、弾丸のオンパレードが止んだ。
モニカが休憩を取り入れたのだ。
これは仕掛けた本人も神経をすり減らす。
クラウスも呼吸を整える。
この窮地を脱する方法は簡単だ。
教会から外に出てしまえば良いのだ。
しかし、クラウスにそのつもりは一切ない。
モニカは言った。
どうせ攻略してしまうんでしょう、と。
——コウシタラ……(慮)
【弾丸オンパレードの攻略法】
1〉荒廃した教会が崩壊するまで耐える。
2〉外に逃れた二人が接近戦でたたかう。
これしか思いつきませんでした……。
————————
❺生徒と対決【安/驚】
時限式小銃をクラウスに攻略され、
モニカが敗れるシーン。
荒廃した教会内では、
再び弾丸のオンパレードが始まっていた。
モニカは飛び出すワイヤーを使い、
空中を移動している。
クラウスも動きだした。
あらゆる角度から銃弾が飛び交うなか、
クラウスは真っすぐモニカに突っ込み、
彼女の後ろのステンドグラスを破ったのだ。
モニカは首を掴まれたまま地面に倒れている。
彼の手が離れると、怪訝にモニカは訊いた。
なんで銃弾が当たらなかったのか、と。
クラウスは答えた。
当然、命中していた、と。
弾は彼の肩と手を掠め、腿に直撃していた。
重要な臓器や頭部だけを回避していただけ。
なんとも無茶苦茶な攻略法だ。
だが、彼女はこうなることを想定していた。
モニカは教会の上を指さす。
その十字架には、人が磔にされていた。
何日も拘束され、
窶れきっていた赤髪のグレーテだ。
十字架の根本が折られており、
今にも地面に倒れかかっている。
このままではグレーテが死んでしまう。
クラウスは直ぐに駆けつけ、
十字架に縛られていたグレーテを解放した。
彼女は弱っていたが、命に別状はなかった。
気づくと——、
モニカはすでに姿をけしていた……。
——ホッ。(安)
とりあえず、グレーテが無事で一安心。
時を待たずに少女たちが教会に現れた。
銀髪リリィ、白髪ジビア、金髪エルナ。
黒髪ティアは、まだどこかに潜伏中だと言う。
リリィからそれを聞くと、
クラウスは確信した。
違和感の正体に気づいたのだ。
モニカが大量に用意できた小銃の謎。
積極的にクラウスを避けていたある少女。
裏切り者はモニカだけではない……。
それを聞いて、リリィたちは唖然とする。
そして、クラウスは言ったのだ。
ティアも『灯』を裏切っている、と。
——えっ!?(驚)
ティアまで裏切っていたの!?
どうなってんだい、『灯』は?
④謀略【察・定】
あらすじ——
クラウスはモニカとの戦いに勝ち、
グレーテを無事に救出していた。
しかし、モニカはまた行方を暗ます。
クラウスはリリィとジビアを引き連れ、
モニカの捜索を開始した。
そのころ、ティアはCIMから逃げていた。
クラウスたちと合流できたティアは、
モニカの本当の狙いを知ることになる……
————————
❶モニカの謀(1)【察】
人形工房で襲撃を受けたティアが、
その翌日にモニカと密会するシーン。
フェンド連邦の防諜専門部隊の拠点——
人形工房でモニカが仲間を襲ったとき、
彼女はティアに願望を読まれていた。
裏切りの真相を見抜かれたのだ。
その翌日の夜。
ヒューロ路地にある小さなカフェで、
モニカとティアは密会していた。
ティアはモニカに借りがあった。
アネットの母の逃亡を手助けするとき、
反対していたモニカも手伝ってくれていた。
彼女はモニカから協力を頼まれ、
やってもらいたいリストを受け取った。
クラウスにも言えない事情があるらしい。
モニカは最後にこう言い残していった——
君だけが頼りなんだ、と
——まさか……(察)
『翠蝶』と刺し違えようとしているのか?
————————
❷モニカの謀(2)【定】
CIMからモニカと逃げていたティアが、
『灯』の仲間と合流するシーン。
クイーン・クレット駅近郊のビル。
そこに『翠蝶』が潜んでいた。
ヒューロの国会議事堂が見れる場所だ。
彼女は燎火が痛手を負ったことを知り、
モニカを信用するかどうか思慮していた。
と、そこに——
血相を変えた手下が号外を持ってきた。
そこには皇太子の暗殺者が載っていた。
年齢、身長、コードネームなど、
犯人の特徴がズラーっと公開されている。
そして、スパイだと記されていた。
ガルガド帝国のスパイ『蛇』に所属、と。
モニカの写真といっしょに……。
『翠蝶』に衝撃と混乱が起こるなか、
彼女の前に黒髪のティアが現れる。
号外を出したのはティアだった。
その優れた交渉術で、
マフィアの組織を配下に動かしていたのだ。
分が悪くなると『翠蝶』は逃げた。
が、隠れたビルにティアが先回りしていた。
そこに、クラウスから逃げたモニカも現れた。
これで『翠蝶』は万事休す——
と思いきや、諜報機関が部屋に突入してきた。
今度はティアとモニカが逃げた。
ちょうど、その時——
クラウスとリリィたちも近辺にいた。
クイーン・クレット駅近郊である。
モニカとティアを捜索していたのだ。
そして、彼らのまえにティアがやってくる。
黒髪の彼女は気づかなかった。
後ろにいたはずのモニカの姿が——
消えていたことに。
本当はクラウスに匿ってもらうはずだった。
そして、冤罪を晴らしてもらうものだと……。
ティアもモニカに欺かれていた。
彼女は暗殺の罪をひとりで背負い——
敵と戦って、そのまま死ぬ気なのだ……。
——やっぱり。(定)
リリィと『灯』を守るために、
自分を犠牲にする気のようです。
モニカの強い決意が伝わってきますね。
⑤窮境【蟠】
あらすじ——
モニカは『灯』とリリィを守るため、
一人で防諜部隊に戦いを挑んでいた。
一方、クラウスたちは仲間を人質に捕られ、
CIMの連中に拘引されていた。
苛烈な戦いから生き延びていたモニカは、
『焙烙』のゲルデの隠れ家に向かうなか、
思わぬ強敵たちと遭遇してしまうのだった……
————————
窮すモニカ【蟠】
ゲルデの隠れ家を探していたモニカが、
『白蜘蛛』と『黒蟷螂』に出遭うシーン。
ヒューロの南東側——
夜、弱り果てたモニカが歩いていた。
防諜部隊との激戦から生き延びていたのだ。
モニカは探していた。
『焙烙』のゲルデの隠れ家だった場所を。
暗くて閑静な住宅地を歩いていると、
ある声がモニカを呼び止める。
『白蜘蛛』だ。
『白蜘蛛』——
ガルガド帝国のスパイ『蛇』の一員。
とらえどころがない飄々とた顔に、
キノコのような目立つ髪型が特徴で、
高級スーツを身に纏っている男。
そして、さらにもう一人現れた。
『黒蟷螂』——
『蛇』の一員。
長身大柄で、
片腕に二本の義手をつけている。
楽観的で自己愛性がたかい性格の男。
『鳳』を襲った一人である。
歩くのがやっとのモニカにとって、
これは絶体絶命のピンチであった。
折れた小刀だけで太刀打ちするのは不可能。
ちょうど、リリィからの無線が入り、
モニカは今の状況を説明した。
『炯眼』を頼れ、とリリィに伝え、
遺言のように告白したのだ。
モニカは発砲を受け、無線が壊れた。
とうとう終わりがやってくる。
『黒蟷螂』の多腕が動いたのだった……
——気になる……(蟠)
きっと、生存してるはずだけど、
やっぱ、その後が気になります。
誰かに助けられていたか、
クラウスへの交渉材料に監禁されているのかも。
『スパイ教室07 《氷刃》のモニカ』』
竹町(著)
トマリ(イラスト)
KADOKAWA
あとがき
◆ちょっと気がかりな点!
【モニカはもうアウト!】
というのは、
フェンド連邦の新聞一面に姿が載っていたから。
年齢や蒼銀髪という特徴まで晒していたので、
スパイ活動がしにくくのなるのでは?
【盗聴器のせいで相談できない?!】
『翠蝶』に盗聴器を仕込まれたモニカ。
彼女は『灯』の拠点に戻り、
メンバーとミーティングを始めます。
裏切りの件を紙に書いて仲間に伝えれば、
機微な反応から敵に悟られる危険がありました。
だから、モニカは誰にも相談しなかったのです。
が、クラウスには相談できたしょう。
彼なら気づいてない演技を上手く出来るはず。
手話やメールなどで相談できたのでは?
————————
◆ネクストミッション
今回、活躍すると思われた『炯眼』は、
ちらっと触れる程度のみ……。
例の『灯』の秘策です。
登場するのは次の巻になりそうですね。
ちなみに、次巻は非選抜組が『蛇』に逆襲をするようなことが書かれておりました。
逆襲相手は『白蜘蛛』と『黒蟷螂』のことでしょう。
リリィ、ジビア、サラ、
グレーテ?……の活躍が楽しみですね!
『スパイ教室07 《氷刃》のモニカ』
竹町(著)
トマリ(イラスト)
KADOKAWA
『スパイ教室07 《氷刃》のモニカ』の用語集
体言(物の名前・指示)
蠱惑(人の心を、あやしい魅力でまどわすこと。「男をーする」)
善処(適切に処置すること。うまく、かたをつけること)
座学(演習や訓練などの実技に対して、講義形式の学科のこと)
有事(武力に訴えるような事件・事変が起こること)
一枚岩(一枚の板のような裂け目のない大きな岩。強固な団結)
憂虞(心配し恐れること)
賊徒(朝廷や政府に反逆する者ども)
中庸(極端な行き方をせず穏当なこと。片寄らず中正なこと)
サーベル(西洋風の長い剣。洋刀)
タンブラー(筒状の口が広い形状の容器)
ダブルアクション(銃器においてトリガーを引く事によりハンマーが後退し、そのまま撃発される)
示威(威力を示すこと)
先刻(さきほど。さっき)
一蹴(あっさり負かしてしまうこと)
譫言(筋の通らない放言。たわごと)
旋盤(加工したい素材を回転させ、刃物をあてることにより、円筒形状に削り出す機械)
フラストレーション(欲求不満)
怜悧(頭がよく、りこうなこと)
瓦解(物事の一部の崩れから全体の組織がこわれてしまうこと)
四字熟語
閑話休題(余談を打ち切って、本筋にもどる意を表す語。それはさておき)
不羈奔放(何ものにも拘束されず、思いどおりに振る舞うこと)
阿鼻叫喚(人々が苦しみ泣き叫ぶような、非常にむごたらしい状態)
冥頑不霊(頑固で物事を正しく判断できなくて無知であること)
叱咤激励(大声で叱るように励まし,奮い立たせること)
※:執筆者の独断と偏見が含まれます。
※:本ページの情報は2023年3月時点のものです。
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