前半のストーリー
天才コンサルと挑む、ビジネス頭脳バトル!(中略)「ねっ、“友達”いりませんか?」環 伊那ーー金髪、巨乳、明るい笑顔が特徴の経営初心者。WBFに参加するため高校を中退した元JKがパートナーに選んだのは、<成功請負人>の名を持つ天才コンサルタント真琴 成。(後略)
引用元:U-NEXT
齢18で多くの業界を支援している真琴成は、
経営初心者の島娘、環伊那と邂逅する。
10兆円の援助を得る選抜試験に合格するため、
可能性を秘めた環のコンサルトを開始する。
◆登場人物
真琴成……成功請負人と称される天才コンサルタント
環伊那……島から上京してきた天真爛漫なペーパー社長
大島陸……大島工務店創業一家の三代目跡取り息子
大島京……陸の双子妹で住宅部門の子会社社長
宇室浩紀……配信者を多数抱える大手ライバー事務所代表
『彼とカノジョの事業戦略~“友達”の売り方、教えます。~ 』
初鹿野創(著)
夏ハル(イラスト)
小学館
2023年6月20日発売
購入金額の最大40%が、
32日後にポイントで還元されます!
※U-NEXTポイントの消費分は対象外
詳しくは——
感情トリガーとあらすじ、場面
※:本ページの情報は2023年8月時点のものです。
最新の配信状況はU–NEXTサイトにてご確認ください。
【感情のトリガー↓】0~257P(スマホ)
①爛漫な女【悸・凄】
②選抜試験【興】
③戦略開始【ー】
【トリガーの内訳】
①爛漫な女(初対面の快活な女性と試験会場へ向かう)
├相乗り男女【悸】(ドキッ)
└記憶の逸材【凄】(スゴッ!)
②選抜試験(試験内容が説明される)
└自己株競争【興】(ワクワク)
③戦略開始(環伊那を高級会員制ラウンジで働かせる)
【刺激された感情の種類:3種】
驚度:★
凄=程度が甚だしくて優れてる(1)
乗気:★★
悸=魅力的な異性と急接近(1)
興=まだ未開な出来事への期待(1)
①爛漫な女【悸・凄】
あらすじ——
天才コンサルタントである真琴成(18)は、
10兆円の援助が受けられる試験に臨むため、
タクシーで会場へ向かおうとしていた。
そこに現れたギャルっぽいスーツ姿の人から、
突然、声をかけられ、タクシーに相乗り。
相手の女性は真琴のことを知っているようで、
目的地もいっしょであった。
実績も経験もない普通の田舎娘と、
真琴は育英生選抜試験の会場へと赴く。
❶相乗り男女【悸】
10兆円の援助が得られるかもしれない、
育英生選抜試験に向かっていた真琴成。
平日の通勤ラッシュのなか、
丸の内のロータリーで女性に声をかけられ、
押し売りだと思った真琴は往なそうとする。
ちょうど乗る予定だったタクシーが現れ、
快活そうな若い女性と別れようとしたとき、
いきなり相乗りを迫られた。
しかも、彼女と目的地もいっしょ。
そんな状況を怪訝に感じたエリート真琴が、
ギャルっぽいスーツ姿の女性に訊ねる場面。
丸の内のロータリー。
「……アンタ、いったいナニモ──ンッ!?」
《前掲書、 P.36》※スマホで閲覧
「ほらほら、急ごっ」
ふわっ、むぎゅっ。
驚愕するオレの思考の間隙を突くように突如、右腕に何やら柔らかい重みを感じた。
——ドキッ!(悸)
現実じゃありえないシーンいただきました!
なんと、イラスト付きで!
イメージ的には『推しの子』のルビーちゃん。
ほとんど外見がいっしょ。(バスト以外は)
大きな瞳に髪をサイドに垂らしたポニーテール、
明るく元気で大胆な行動ができるアイドル気質。
中学生くらいならたまらん状況ですが、
今ならハニートラップを警戒しますね。
そっこく逃げます。危ない。
❷記憶の逸材【凄】
初対面の環と相乗りすることになった真琴。
本当に目的地が一緒なのか確かめてみたが、
たしかに倍率100倍の受験票を持っていた。
が、高校を中退して上京してきた彼女には、
経営スキルも実績もないただのポンコツで、
真琴は事前面接に受かったことに疑問を抱く。
その一方で、好きな故郷を守りたいという、
彼女の志望動機の熱意には評価していた。
そんな時、
環がふと漏らした説明会のことがひっかかる。
会場に3000人以上も集まっていたなかで、
真琴の特徴を細かく言い当てていたからだ。
もしやと思い、真琴は彼女に訊ねてみる。
ほかの人達の特徴も覚えているのか、と。
その質問に環が答えていた場面。
目的地へ移動中のタクシーの中。
環は不思議そうに首を傾げ、それから「えっとね──」と切り出す。
《前掲書、 P.71~72》
「最初に見かけた人は(中略)たぶんすっごい覚悟でここに来てるんだろうな、って思ったよ。それでそれで──」
——すごっ!(凄)
実際はもっと長くセリフが続いています。
『超記憶症候群』みたいな感じなのかな?
過去の記憶を細部まで思い出せる、みたいな。
ただの阿呆な天然お嬢ちゃんじゃなかった。
この能力をどう活かすのか楽しみ。
■ワールドビジネス育英財団とは
創始者が死に際に全財産を投じた育英財団。
なんと、たった一人の選ばれし優秀経営者に、
小国の予算にも匹敵する10兆円が与えられる、
にわかに信じがたい支援組織であります。
そんな偉大な試験会場が日本にあるなんて驚き。
もちろん、フィクションですがね。
今の所、真琴成の使い道は不明でありますが、
環伊那のほうは、明らかにされています。
廃村が決まっている故郷の小笠原諸島を、
活気づけさせて、町そのものを守ること。
そのためには人を動かす必要があり、
人を動かすには多くのお金が必要です。
このチャンスを逃すわけにはいきません。
真琴と環はライバル同士でもあるわけですが、
真琴はなんだか閃いたようす。
きっかけは、環の意外な記憶能力。
さあ、どんな展開になっていくのでしょうか。
②選抜試験【興】
あらすじ——
育英生選抜試験の説明会が行われるビルに、
相乗りしていた真琴と環が来場していく。
会場で旧友の大島兄妹と挨拶を交わし、
真琴は出遇ったばかりの環を紹介する。
会場を仕切る不二女史の演説が始まり、
試験内容が発表される。
説明のほとんどを理解できなかった環に、
真琴はカフェの席で講義と作戦をコンサルする。
自己株競争【興】
育英生選抜試験の内容は、
自分の価値を競い合うことだった。
それをアプリで可視化できるようにし、
試験官の評価を多くもらえると合格する。
上位20名が晴れて育英生ということになる。
少し変わっているのは、
価値を株に見立てていることだった。
しかし、環は株に関してほぼノー知識。
説明会を終えた真琴と環は、
カフェの店で株の基礎知識を教え、
現在99位の環の戦略方法をかんがえる。
彼女の特異能力を活かした案が閃くと、
真琴がスマホを片手に環へ問いていた場面。
東京・赤坂にある——
ザ・リッツ・アールトン カフェ&デリ。
説明会が終わり、午前10時半をまわる。
「経験もない、知識もない。それでもビジネスを始めたいって時は、何を使えばいいと思う?」
《前掲書、 P.171》
「何を……?」
ガチャリ、と電話が繋がる直前。
「答えはシンプル。時間を使え、だ」
——ワクワク!(興)
環の魅力は一度見た人の特徴を憶えれる能力。
これをどう活かして自分の価値を高めるのか?
例えば、人脈作りに活かせそうですよね。
あの時のこと憶えてくれてたんですねって。
憶えている個人情報を売ることもできそう。
マーケティングに役立ちますからね。
探偵としても活かせそう。
行動や仕草、言動の変化にも気づけるでしょ。
トランプの神経衰弱も強いはずだから、
そういう賭け事でも儲けれそう。
さあ、真琴は環をどうコンサルしていくのか、
ワクワクしますね。
■試験内容
締切……5月末までの約一ヶ月半
比較……最終日15時時点の時価総額
合格……上位20人に育英生資格が授与
自己価値とは——
実績、経験、知識、能力、評価など、
あらゆる要素を統合した総評価。
試験官達に成長を期待させられるかがカギ!
■現在の時価総額(判明してる範囲)
真琴成【自己株1000億円、7位】
大島陸【自己株700億円、12位】
大島京【自己株600億円、15位】
宇室浩紀【自己株60億、24位】
環伊那【自己株1億円、99位】
(参加者数は100人)
環より下の人がいたとは驚き。
誰なのか気になりますね。
■株は事業起こしに便利なツール
注意点
株主には会社運営に関われる権利がある。
株の保有数に応じて異なり、
株主の過半数の意見に左右されたりする。
渡しすぎると運営に支障がでる。
で、真琴の目標は——
環を合格ラインに入れること!
え? なんで他人の助けが優先なのかって?
環が合格するのは、ほぼ不可能と思われている。
それを合格させたとしたらどうだろうか。
真琴のコンサル能力の高評価は確実。
つまり、互いにWin–Winということなのだ。
感情刺激は少ないけど、
なんか見届けたくなってしまうから不思議。
どんなサクセスストーリーを魅せてくれるのか。
③戦略開始【ー】
あらすじ——
選抜試験の戦略を企てた真琴は、
環を知り合いの高級ラウンジへと案内する。
仕事に厳しい銀ちゃんママと対面した環は、
そこの店のキャストとして働くことになる。
その意図を敢えて隠していた真琴は、
勤務後の環を自宅マンションに招き、
自己株の変動調査結果を共有する。
環は真琴がビジネスに熱中する根幹を悟り、
彼のコンサルに全幅の信頼を寄せる。
高級会員制ラウンジ〈六本木 Garden〉
真琴が環を紹介したお店です。
資金集めのコンサルを受けていた繋がりで、
銀ちゃんママが威勢のいい環を厳しく値踏み。
彼女の天性な人柄に惚れたママは、
高級会員制の店員として雇うこと決めます。
どうして真琴は、環をここで働かせるのか?
彼女の魅力は友達を売ること。
裏切るという意味ではありません。
友達に喜んでなりますよ、という意味です。
そう、この店で大富豪のコネを作るのが狙い。
ここに来るような資産家はバカではありません。
そんな下心はすぐにバレてしまいます。
だから、真琴は意図を説明しませんでした。
環の良さが無くなってしまうから。
あと一ヶ月ちょっとしかない間に、
富豪の友達をつくることができるのか?
期待しましょう。
自己株の上げ方
真琴が五日間検証して分かったことは、
ネット媒体による公表が一番効果的ということ。
もちろん、成果の実績が必要ですが。
ペーパー社長の環伊那が優先すべきは、
自分の公式サイトをつくること。
当然、彼女にそのノウハウはありません。
だから制作会社に依頼するんですね。
高級ラウンジで稼いだお金で。
ここまでは、まだ過程の描写なんで、
物語の進展はみられません。
後半に期待ですね。
感想(前半)
◆物語はスローペース
意外とゆっくりな流れであります。
おそらく、解説的な要素が多いからでしょう。
みんな堅い肩書きを与えられているんで、
各々のキャラが何で儲けてる社長なのかとか、
それだけで文字数を結構つかっています。
頭脳戦は後半のほうで見られるのかな?
自己株の時価総額を競う選抜試験。
株について少し学べるのが魅力ってかんじ。
まだまだ分かってない人、多いでしょうから。
社長になれても、すぐ倒産が目に浮かぶ。
トップの人って、ホント尊敬です。
後半の感情トリガー
【感情のトリガー↓】258~499P(スマホ)
①敵の奸計【落】
②敵も救う【尊・褒・興】
③次の火蓋【驚】
【トリガーの内訳】
①敵の奸計(妨害工作が水面下で行われる)
└先輩の不義【落】(ガッカリ)
②敵も救う(皆がハッピーになれる解決策を講じる)
├ママの迫力【尊】(カッケ-)
├妨害の逆襲【褒】(スバラシイ)
└皆幸せ戦略【興】(ワクワク)
③次の火蓋(20名の合格者達で次の競争が始まる)
└WBF代表【驚】(エッ⁉︎ イガイ)
【刺激された感情の種類:5種】
賛美:★★
褒=解決策に納得する(1)
尊=希望を持たせる英雄的行動(1)
驚度:★
驚=予想外の出来事(1)
不幸:★
落=期待外れに落胆する(1)
乗気:★
興=まだ未開な出来事への期待(1)
全体を通してのプロット
A【人物・世界観の説明】
①天才コンサルタントと無知の女の邂逅
②育英生選抜試験という目的の開示
③環伊那という女性の将来性の露見
a【物語が始まる起点・問題】
☆育英生選抜試験が開始される
B【発生した問題への対処】
①環に株の基本知識を講義
②環を高級会員制ラウンジに斡旋
b【問題の広がり・深刻化・窮地】
①真琴と環の戦略が好敵手にバレる
②好敵手からの妨害を被る
C【人物の葛藤・苦しみ】
○好敵手への仕返しに環が反対
c【問題解決に向かう最後の決意】
★みんなWin-Winの戦略を決意する
D【問題解決への行動】
○好敵手との交渉
読了した感想
◆長いプロローグという印象
初鹿野先生、ご本人も認めておられる通り、
ここから物語が始まっていくという終わり方。
本格的な頭脳バトルは二巻で見られるのかな?
もちろん、今回もバトってはいますが、
どうも分かりづらい……。
水面下で真琴があれやこれやと手回しをし、
いつの間にか問題解決されているという流れ。
どうして交渉を受けた方が好敵手も得なのか、
そこに関しては分かりにくかったですね。
あの環が理解して交渉していたのも不思議。
株についてノー知識だったのに……。
やっぱり、頭脳バトルはバトってる感がほしい。
リアルなサバイバルゲームだったり、
侵入、脱獄、脱出、奪還、謎解きなどなど。
真琴は成功請負人のコンサルトであるから、
彼らの目的をサポートしていくてきな物語。
それが見てみたいなと思いました。
アニメで例えるなら、
『憂国のモリアーティ』。
彼は犯罪を助けるコンサルタントであり、
シャーロック・ホームズの好敵手でもあります。
どちらも頭脳明晰で見応えある作品です。
では、また次の作品でお会いしましょう。
『彼とカノジョの事業戦略~“友達”の売り方、教えます。~ 』
初鹿野創(著)
夏ハル(イラスト)
小学館
2023年6月20日発売
想像力を鍛えて脳内映像化マスターへ!
※:執筆者の独断と偏見が含まれます。
※:本ページの情報は2023年8月時点のものです。
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