前半のストーリー
時崎狂三――女子大生にして、 魔術工芸品犯罪専門の探偵。狙撃不可能な場所から放たれる『魔弾』。『生きた人形』による集団昏睡。常識では測れない不可思議な事件を前に、狂三の推理の時が刻まれる!
UNEXT
彩戸大学一年の時崎狂三のもとに、
脅迫状を送られた大富豪令嬢が現れる。
盗まれた魔術工芸品犯罪を阻止すべく、
滑稽さを魅せてくれる二人が事件に臨む。
◆登場人物
時崎狂三……彩戸大学一年生の探偵
栖空辺茉莉花……大富豪の令嬢で狂三のスポンサー兼助手
『魔術探偵・時崎狂三の事件簿』
橘公司(著)
つなこ(イラスト)
KADOKAWA
2023年10月20日発売
購入金額の最大40%が、
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※U-NEXTポイントの消費分は対象外
詳しくは——
感情トリガーとあらすじ、場面
※:本ページの情報は2024年1月時点のものです。
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【感情のトリガー↓】0~249P(スマホ)
①魔弾の射手【蟠・訝】
②生きた人形【訝・奇/呆・嘲・呆・呆】
③若返り料理【ー】
【トリガーの内訳】
①魔弾の射手(大富豪に届いた脅迫状事件に臨む)
├犯行の真実【蟠】(キニナル)
└人間でない【訝】(ハ?)
②生きた人形(ドール愛好家が集まる洋館へ臨む)
├屋敷に幽閉【訝】(ハ?)
├ドMな変態【奇/呆】(クレイジー/ッ⁉︎)
├喋るお人形【嘲】(ハハ)
├小さな足音【呆】(ッ⁉︎——)
└人形とキス【呆】(ッ⁉︎——)
③若返り料理(若返ると噂のレストランへ臨む)
【刺激された感情の種類:5種】
驚度😳:★★★★
呆=突然で呆気にとられる(3)
奇=普通と違いすぎて珍しい(1)
思考🤔:★★
訝=疑問を抱かせる言動や描写(2)
不幸😫:★
蟠=中途半端でまだ未解決(1)
攻撃👊:★
嘲=茶番さを小バカにした半笑い(1)
①魔弾の射手【蟠・訝】
あらすじ——
彩戸大学に在籍する一年の女子——
時崎狂三の下に依頼目当てで令嬢が現れる。
栖空辺茉莉花と名乗るその令嬢宅に、
恐ろしい予告状が届いたと。
その文面を見た狂三は、依頼を承諾し、
栖空辺邸へおもむく。
脅迫予告当日、
栖空辺邸宅のホール内に参加者が集まり、
名探偵の伊丹貞義が面前で挨拶をする。
が、彼は何者かに狙撃され、
殺人未遂事件として捜査がはじまる。
茉莉花と事件の調査をしていた狂三は、
その真相に気づき、犯人を突き止める。
❶犯行の真実【蟠】
謎の脅迫状が届いていた屋敷内の予告当日。
目撃者がいる前で探偵の男が狙撃された。
家主の娘——栖空辺茉莉花に依頼され、
彼女と同じ大学一年の時崎狂三も、
その現場にいたというのに。
退室した狂三と茉莉花は、本館の外を周り、
探偵が撃たれたホールの所まで辿り着く。
あまり使われない二階の窓に、
一枚の葉っぱが挟まっていた。
狂三は、それを写真に収め、
捜査中の警官と再会し、会話していた場面。
「かなり立派なお屋敷ですわよ。時計を見てみてくださいまし。途中少し足を止めたとはいえ、周りを一周しただけで五分近くは経って──」
《前掲書、 P.61~63》※スマホで閲覧
──と。
そこまで言ったところで、狂三は言葉を止めた。
(中略)
「まさか、そんなことが」
答えが出た瞬間、狂三は駆け出していた。茉莉花と佐田の間を抜けるようにして、本館の中へと入っていく。
「──へっ!? 狂三さん、いかがいたしまして!? 狂三さーん!?」
背後に茉莉花の声を聞きながら、狂三は一目散に目的地へと向かった。
——気になる。
事件のおさらいをしよう。
事の発端は栖空辺邸に届いた脅迫状だ。
五月十八日にその館で惨劇が起きる——と。
差し出した犯人を捜すため、令嬢——
栖空辺茉莉花が警察、探偵に依頼する。
また、令嬢は同じ彩戸大学に通う才媛——
鳶一折紙にも依頼するが断られ、
一年の時崎狂三を薦められた。
そして予告当日——、
名探偵の伊丹貞義が館のホールで狙撃された。
栖空辺邸のホール内にいた十名の目の前で。
令嬢の父と母、屋敷の使用人が四名、
ボディガードが二名、狂三と茉莉花。
不審な人物はいなかったが、
現場には旧式の銃と思しき鉛弾を発見。
だが、発砲音は誰も聞いていなかった。
屋敷の近くにある倉庫から、
犯行に使ったと見られる銃が見つかり、
壁に飾られてあったことから、
犯人がわざわざ戻したと推測されている。
しかし、館内の監視映像には、
犯人らしき人物は映っていなかった。
壁と窓で隔たれている館内の標的を、
いったい、どうやって狙撃したのか?
使用人の一人が述べていた。
一昨日の掃除中、
かんしゃく玉が弾けるような音を聞いたと。
主人公の狂三と茉莉花令嬢が館外を周り、
なにかの答えに気づく……
……いや、全然分からん。
❷人間でない【訝】
栖空辺邸本館の一階にある警備室で、
監視映像を確認していた狂三が、
事件の謎をすべてて解けたと宣った。
訝しがる茉莉花令嬢に、
狂三が説明する場面である。
「ええ、ええ。聞くに堪えない妄想ですわ。──もしも本当に、『魔弾』などというものが存在したら、という」
《前掲書、 P.67~68》
「……! 『魔弾』──」
狂三の言葉に、茉莉花の表情が変わる。
「それは、例の脅迫状に書かれていた……?」
「その通りですわ。ひとたび放たれれば、必ず目標に当たるという魔性の弾丸。あらゆる障害物を避け、獲物がどれだけ逃げようとも、決して外れることのない弾──」
無論普通に考えれば、そんなものが存在するはずはない。
そう──普通に考えれば。
けれど狂三は知っていた。この世界に、人智を超えた神秘が存在することを。
何しろ狂三は今からおよそ一年前まで──人間ではなかったのだから。
——は?
人間でなかった?
神秘が存在するって?
犯人は魔法使いだったってことかな?
銃を錬成し、発射音をミュートにし、
自身を透明人間に変えて姿を眩ました——
って落ちならガッカリだな。
もちろん、そんな落ちにはならないはず。
いったい、この事件の真相はいかに……。
②生きた人形【訝・奇/呆・嘲・呆・呆】
あらすじ——
狂三のスポンサーとなった茉莉花が、
魔術工芸品犯罪を調査する探偵事務所を設る。
探偵役を務める狂三に、疑惑事件を持ち出し、
茉莉花は、人形愛好家が集まるオフ会に、
狂三を潜入させる。
洋館に集まった参加者の一人が、
密室の中で昏睡となり、館が幽閉されてしまう。
また一人、個室で襲われ、昏睡状態に。
二人の愛玩人形が、なぜか姿を消す。
狂三以外の参加者が全員襲われ、
犯行のカラクリが見えてくる。
狂三が犯人の潜むところを突き止め、
魔術工芸品を回収してみせる。
❶屋敷に幽閉【訝】
探偵事務所を開いた狂三の許に、
茉莉花令嬢が捜査の依頼を持ち込んできた。
人間の魂を人形に移す工芸品が使われた——
かもしれない昏睡事件が多発とのこと。
これは魔術工芸品犯罪なのか?
被害者は皆、とあるサロンの会員らしく、
狂三がそのオフ会に潜入する。
森林の中にある二階建ての洋館——
『ドールハウス』にドール愛好家達が集う。
ロリータファッションの紅璃夢。
ゴシックパンクルックのササキ。
首輪を付けたメイド服姿のメイメイ。
眼帯をしたゴスロリのクルルエル——もとい、
潜入中の時崎狂三。
と、彼らのお世話を担う執事の石垣頼子。
だが、このオフ会の主催者の姿はなかった。
二泊三日の予定で潜入したこの洋館で早々、
ササキの部屋から悲鳴が上がる。
彼女は鍵の掛かった室内で倒れていた。
意識はなく、昏睡状態で……。
外から侵入不可能な密室のなかで……。
さらに、ササキが愛玩していた人形の紛失……。
まさか、その人形がササキを襲い、
小さな窓の隙間から逃走したというのか?
圏外で外との連絡も取れないそんななか、
狂三が執事に指示を仰いでいた場面である。
オフ会の会場である洋館の個室(ササキ)。
よくない状態だ。狂三は二人の注意を引くように大きく咳払いをした。
《前掲書、 P.128》
「なら、直接病院に連れていきましょう。確かお車がありましたわね? 運転をお願いいたしますわ」
狂三の言葉に、頼子は顔中に汗を滲ませながら頭を振った。
「だ、駄目なんです……」
「駄目? どういうことでして?」
「お屋敷の扉が……どれも開かなくなってしまっているんです──」
頼子は消え入りそうな声で、絶望的な情報を告げてきた。
——は?
閉じ込められてしまっただと?
もはや何でもありの魔術工芸品。
透明人間になって、壁すら通れるとか、
時間をリープできるとか、
魔術アイテムなら可能なのでしょう。
密室の犯行であっても、
不思議感があまりないのですが、
とりあえず、容疑者は絞られる。
執事の頼子、紅璃夢、メイメイ、
まだ顔も見せてない主催者ウェヌス。
この四人の誰か。
もしくは、ササキの自作自演。
❷ドMな変態【奇/呆】
館に閉じ込められたしまった四人は、
談話室に集まっていた。
首輪を付けたメイド服のメイメイが催し、
単独行動は危険だからと、狂三が付き添う。
メイド服のメイメイが人形を携えていたので、
狂三が預かろうかと配慮した場面である。
ドールハウスのお手洗い場。
「では、すぐ済ませますのでちょっと待っていてください」
「ええ。『アンジェリカ』さんをお預かりしておきましょうか?」
狂三が言うと、メイメイは首を横に振った。
「いえ、大丈夫です。やっぱりちょっと心細いので。それに──」
「それに?」
「最近、お嬢様に蔑まれるような目で見つめられていないと用が足せなくなってしまいまして」
「……そうですの」
《前掲書、 P.136〜137》
——クレイジー。
トイレにまで人形を持っていくとは……。
その人形の方を自分より格上扱いしてるし。
しかも、ちょっと前のセリフがやばかった。
談話室のみんなが許せば、
そこで用を足そうとしていたのだから……。
❸喋るお人形【嘲】
狂三がいた目の前でメイメイが襲われた。
そこに、悲鳴で駆けつけてきた紅璃夢が、
狂三を犯人と勘違いしてしまう。
手に持っていた人形と会話していたからだ。
実際はマイクとカメラが仕込まれており、
外の茉莉花と人形を通して話していただけ。
だが、紅璃夢はそのことを知らない。
そんな狂三と紅璃夢のまえで、
茉莉花が突然、話だしたもんだから、
余計、疑われてしまう場面である。
ドールハウスのお手洗い場。
「……違うんですのよ。これは」
《前掲書、 P.143》
「いきなりしどろもどろになってるじゃない!」
紅璃夢がキッと視線を鋭くしながら狂三を睨み付けてくる。もう完全に狂三を犯人と断定してしまっている様子だった。
するとそんな状況に焦れたのか、狂三の手の中の『ジャスミン』が声を発した。
『話を聞いてくださいまし! この方は犯人ではありませんわ!』
「きゃああああっ! やっぱり喋ってるぅぅぅぅぅっ!?」
——はは。
つい、吹いてしまいやした。
もっとシリアスに読みたいのに、
どうしてもコメディ感を出してくる。
恐ろしいことが起きてるというのに。
ササキとメイメイが昏睡状態で、
館に残っているのは三人のみ。
狂三とロリータの紅璃夢、執事の頼子。
主催者は、いるのかいないのか不明だし、
一人とも限らないですよね。
全く分からない。
ササキとメイメイの人形が消えてるのも謎。
❹小さな足音【呆】
狂三は、人形(茉莉花の声)が喋りだして、
逃げてしまった紅璃夢を追いかける。
彼女の宛てがわれた個室の扉を開けた。
が、既に紅璃夢は自室で昏睡状態になっていた。
狂三は、すぐに引き返し、
執事の頼子を捜しにいく。
なんと、頼子も物置で倒れていた。
そんなとき、廊下の方から、
小さな足音が聞こえてきた場面である。
廊下の方から、小さな足音のようなものが聞こえてきたのだ。
《前掲書、 P.149~150》
「……! 誰ですの!?」
狂三は視線を鋭くしながらそちらに振り向いた。
狂三以外の参加者、及び執事は、全員昏睡してしまっている。彼女らの誰かが目覚めたのでなければ、その足音は狂三にとって好ましからざるものであるに違いなかった。
「な──」
しかし、覚悟を決めてなお、驚愕が喉から漏れるのを止めることはできなかった。
とはいえそれも当然だ。
──幾体ものドールが、自らの足で歩いてくるなどという光景を目にしたならば。
「生きた……人形……?」
——ッ!?——
ちょっとホラーですね。
西洋式のビスクドールが幾体も……。
❺人形とキス【呆】
人間の魂を抜く魔術工芸品の謎が解け、
狂三は黒幕——主催者の寝室に駆けていく。
既に主催者は屋敷自体に魂を移しており、
狂三の思惑を阻止しようと邪魔してきた。
足を絡めとられ、狂三は身動きを取れない。
万事急須かと思われるその時、
狂三が意外な行動に出る場面である。
主催者の寝室。
「わたくしも人形にするつもりですの? うふふ──ならばお望み通りにして差し上げますわ」
《前掲書、 P.165~166》
『──え──』
狂三の言葉に、声が、意表を突かれたような色を帯びる。
次の瞬間、狂三は右手の親指で、自らの唇をなぞった。
──先ほど手燭に付いていた口紅を拭い取った親指で。
「魔術工芸品『ガラテア』──その力を示してくださいまし」
そして狂三は、真っ赤に色付いた唇で、手にしていたドール『ジャスミン』に口付けた。
瞬間──
「──────」
まるで眠りに落ちるかのように、狂三の意識は闇に吞まれていった。
——ッ!?——
なんと、自ら人形に移る選択をするとわ。
人間の身体の方を潰されたりしたら、
元の姿にもどれなくなるのでは?
でも、その前に壁のキスマークを消せば、
家主の魂が元の身体にもどるという寸法か。
③若返り料理【ー】
あらすじ——
ドールハウスの事件解決後、
再び茉莉花令嬢が探偵事務所に現れる。
栖空辺邸から盗まれた魔術工芸品が、
とあるレストランで使用されている疑惑事件を、
茉莉花は、時崎狂三に潜入調査を依頼する。
高級レストランの給仕係に紛れていた狂三は、
茉莉花の茶番に付き合わされたことに怒り、
アルバイトを辞めてしまう。
狂三は、客として来場していた茉莉花と共に、
若返りの料理を味見する。
魔術工芸品の使用を確認した狂三は、
犯人を突き止め、茉莉花が特技を以って回収する。
感想(前半)
◆超難解なミステリ!
というのは、未解明な魔術が絡んでくるから。
このとんでもな発想で事件を起こしてるため、
論理的な推理が成り立たないのです。
普通なら未解決事件で終わりそうですが、
時崎狂三は、ちょっと特殊。
元精霊だったらしい。
そして、物語のきっかけを与えてくる令嬢——
栖空辺茉莉花は、魔術師の末裔でした。
この二人のおかしな事件解決が見どころかな。
◆二章と三章の差がすごい
二章の『狂三ドール』編は良かった。
ホラーチックなミステリと、
滑稽な展開、驚きの行動——
感情の刺激数は高めで楽しい。
なのに三章の『狂三リストランテ』——
こちらに関しては、少し残念な内容でした。
あまりにも単純な解決で終わったから。
良い点といったら、挿絵で登場する——
時崎狂三のユニフォーム姿くらいかな。
とても蠱惑的に描かれております。
イラスト担当つなこさんの絵にやられるね。
後半の感情トリガー
【感情のトリガー↓】249~438P(スマホ)
①変身の指輪【謎・訝】
②孤島で競売【ー】
【トリガーの内訳】
①変身の指輪(女学園の自殺未遂事件を捜査する)
├腹にナイフ【謎】(ナゾ)
└狂三の部屋【訝】(ハ?)
②孤島で競売(魔術工芸品のオークションに参加する)
【刺激された感情の種類:2種】
思考🤔:★★
訝=疑問を抱かせる言動や描写(1)
謎=行動や現象に不可解を残す(1)
全体を通してのプロット
Case File Ⅰ 狂三ディテクティブ
A【人物・世界観の説明】
①彩戸大学のキャンパスを、
一年の時崎狂三が独りで歩いている
②同じ大学一年の令嬢——
栖空辺茉莉花が狂三の前に現れる
a【物語が始まる起点・問題】
☆栖空辺邸に謎の脅迫状が届き、
狂三は茉莉花から捜査を依頼される
B【発生した問題への対処】
◯令嬢の捜査依頼を受けた狂三が、
犯行予告の栖空辺邸に招かれる
b【問題の広がり・深刻化・窮地】
①栖空辺家に招待されていた探偵が、
何者かに狙撃される
②屋敷の監視映像に犯人の姿はなく、
捜査が振り出しにもどる
C【人物の葛藤・苦しみ】
なし
c【問題解決に向かう最後の決意】
★狂三が監視映像を確認して、
真相に気づく
D【問題解決への行動】
①狂三が犯人に論告する
②令嬢から盗まれた魔術工芸品の話を聞き、
狂三は犯罪に使われた事件の解決を頼まれる
③栖空辺家の資産で探偵事務所を開設する
Case File Ⅱ 狂三ドール
A【人物・世界観の説明】
◯狂三がドール愛好家の交流会に潜入中
a【物語が始まる起点・問題】
☆魔術工芸品の使用が疑われる——
原因不明の昏睡事件が多発し、
嗅ぎつけた茉莉花が狂三に捜査を依頼する
B【発生した問題への対処】
◯ドール愛好家に扮した狂三が、
ドールハウスに潜入する
b【問題の広がり・深刻化・窮地】
①ドール愛好家の参加者が、
次々と昏睡状態になっていく
②狂三の前に、生きた人形が現れる
C【人物の葛藤・苦しみ】
なし
c【問題解決に向かう最後の決意】
★狂三が魔術工芸品の特徴に気づく
D【問題解決への行動】
◯狂三が犯人を見つけて、
魔術工芸品を回収する
Case File Ⅲ 狂三リストランテ
A【人物・世界観の説明】
◯仄暗いレストランで、
狂三と茉莉花が食事をするところ
a【物語が始まる起点・問題】
☆若返ると評判の料理を出すレストランに、
魔術工芸品が使用されている疑惑が浮上
B【発生した問題への対処】
◯件の高級店に狂三がバイトで潜入する
b【問題の広がり・深刻化・窮地】
◯料理に魔術工芸品が使われていた
C【人物の葛藤・苦しみ】
なし
c【問題解決に向かう最後の決意】
★狂三が料理長の下へ向かう
D【問題解決への行動】
◯茉莉花の意外な特技で、
魔術工芸品を回収する
Case File Ⅳ 狂三シークレットガーデン
A【人物・世界観の説明】
①部屋の中で、
狂三が自分の腹にナイフを突き立てる
②目覚めた虚ろ状態の狂三が、
聖アデリナ女学園に転入していて登校する
a【物語が始まる起点・問題】
☆聖アデリナ女学園で、
先月、生徒の自殺未遂事件が起きていた
☆自殺を図った生徒は覚えておらず、
その生徒にそっくりな人が目撃されていた
B【発生した問題への対処】
◯魔術工芸品を疑った狂三が、
聖アデリナ女学園の生徒として転入する
b【問題の広がり・深刻化・窮地】
◯被害者の関係者に、
事件の関与が浮上する
C【人物の葛藤・苦しみ】
なし
c【問題解決に向かう最後の決意】
★容疑者の寮を訪問する
D【問題解決への行動】
◯犯人から魔術工芸品を回収する
Case File Ⅴ 狂三オークション
A【人物・世界観の説明】
◯彩戸大学のカフェテラスで、
狂三が同年代の友達に相談を持ち出す
a【物語が始まる起点・問題】
☆時崎探偵社にオークションの招待状が届く
☆魔術工芸品の競売で、狂三宛てだった
B【発生した問題への対処】
◯茉莉花と狂三がオークションに参加して、
魔術工芸品を落札していく
b【問題の広がり・深刻化・窮地】
◯栖空辺邸から魔術工芸品を盗んだ——
犯人が発覚する
C【人物の葛藤・苦しみ】
なし
c【問題解決に向かう最後の決意】
★狂三が犯人に切り札を明かす
D【問題解決への行動】
①犯人が逮捕され、栖空辺邸襲撃事件解決
②残りの魔術工芸品を探すため、
狂三の探偵業は継続していく
読了した感想
◆やっぱ二話の譚が一番良い
本作は5作品の短編集みたいな内容です。
時系列順に譚は進み、
散逸してしまった魔術工芸品を——
捜査しながら回収していく流れ。
必ず標的に当たる弾丸。
人の魂をモノに移す口紅。
人の寿命を吸う包丁。
他人に変身して感覚共有できる指輪。
透明に擬態できる指輪。
まるでドラえもんの道具みたいな物が、
誰かの私利私欲のために使われ、
元精霊の時崎狂三と、大富豪の娘が、
コント劇のように事件解決していくのです。
その中で、
二話だけは笑いとサスペンスがありました。
ホラーとミステリの要素もあり、
楽しかったであります。
結局、未回収の魔術工芸品が、
あとどのくらいあるのかは不明。
持ち主の令嬢も把握していなかったのです。
道具の発想が尽きないかぎり、
ずっと続けれそうな感じですね。
『魔術探偵・時崎狂三の事件簿』
橘公司(著)
つなこ(イラスト)
KADOKAWA
2023年10月20日発売
想像力を鍛えて脳内映像化マスターへ!
※:執筆者の独断と偏見が含まれます。
※:本ページの情報は2024年1月時点のものです。
最新の配信状況はU–NEXTサイトにてご確認ください。
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