前半のストーリー
◆◇第6回カクヨムweb小説コンテスト《ラブコメ部門》特別賞◇◆顔見知りすらまともにいなかった俺・前原真樹に、初めてできた友だち・朝凪海。男子から『クラスで2番目に可愛い』と噂され、天真爛漫なNo.1美少女・天海さんを面倒見良くフォローする朝凪さんは――(後略)
UNEXT
高校に入った根暗でぼっちの前原真樹に、
クラスで2番目に可愛い友達ができる。
二人は周りからの注目を避けるため、
友達であることを隠して逢瀬を楽しむ。
◆登場人物
前原真樹……ゲームとB級映画好きの冴えない高校生
朝凪海……クラスで2番目に可愛い女子
天海夕……クラスでNo. 1の金髪美少女
新田新奈……朝凪と天海の腰巾着的な可愛い女子
八木沢美紀……初の担任となった頼りなげな教師
『クラスで2番目に可愛い女の子と友だちになった』
たかた(著)
日向あずり(イラスト)
長部トム(イラスト)
KADOKAWA
2022年7月20日発売
購入金額の最大40%が、
32日後にポイントで還元されます!
※U-NEXTポイントの消費分は対象外
詳しくは——
感情トリガーとあらすじ、場面
※:本ページの情報は2023年11月時点のものです。
最新の配信状況はU–NEXTサイトにてご確認ください。
【感情のトリガー↓】0~258P(スマホ)
①可愛い友達【呆・警】
②逢瀬デート【呆・興】
③女難ボーイ【嘲・悲】
【トリガーの内訳】
①可愛い友達(冴えない孤独な少年に春がくる)
├メッセージ【呆】(ッ⁉︎——)
└図々しい女【警】(ナゼソンナコトヲ?)
②逢瀬デート(美少女と楽しい1日を過ごす)
├恥かかせる【呆】(ッ⁉︎——)
└友達と遭遇【興】(ワクワク)
③女難ボーイ(美少女の友達がまた増えて困る)
├密会の場所【嘲】(ハハ)
└転寝した男【悲】(ナンテコッタ!)
【刺激された感情の種類:5種】
驚度:★★
呆=突然で呆気にとられる(2)
不幸:★
悲=悪くなった状況を認知する(1)
恐怖:★
警=警戒心を抱いてしまう(1)
攻撃:★
嘲=茶番さを小バカにした半笑い(1)
乗気:★
興=まだ未開な出来事への期待(1)
①可愛い友達【呆・警】
あらすじ——
出版社で働く母親を起こしてあげたあと、
前原真樹は、高校の入学式に出席する。
割り当てられたクラスでHRがはじまり、
真樹を先頭に生徒たちが自己紹介をしていく。
金曜日の放課後、
レンタルビデオ店を訪れた真樹は、
クラスで2番目に可愛い朝凪海と出会い、
おなじ趣味のことで仲良くなる。
クラスに内緒で遊ぶ関係になっていた真樹は、
朝凪と来週、外でデートする約束をする。
校庭でひっそりと昼食を摂っていたとき、
朝凪が告白されているところを目撃し、
真樹は、彼女の親友の天海たちと様子を窺う。
❶メッセージ【呆】
母親の仕事の都合でひっ越しが多く、
これまで友達と呼べる人がいなかった——
家に籠ってゲームとB級映画が趣味の前原真樹。
高校をデビューして数ヶ月が経った今も、
真樹は、寂しい学校生活を送っていた——
のだが……。
場所不明。(校内?)
──友達なんていなくても、なんとかやっていける。
《前掲書、 P.32~33》※スマホで閲覧
そうやって、いつか母さんに言ったセリフを自らに言い聞かせていたのだが。
『(朝凪) ねえ前原、今日そっち遊びいきたいんだけど、いいよね?』
これまで両親以外に連絡先が登録されていなかったスマホに、メッセージが届く。そう。こんな俺に、初めての友達ができた。
それも女の子。
友達の名前は、朝凪さん。
『クラスで2番目に可愛い女の子』である。
——ッ!?——
メールの内容……
まるで幼なじみの距離感やないかい。
いったい、いつそんな関係になったの?
遊びって、もしやアバンチュールのこと……
いやいや、もちろんゲームのことだよね。
❷図々しい女【警】
週末に朝凪とのデートを控えている前原は
昼休みの校庭で男女の告白シーンを目撃した。
なぜか、朝凪の親友の天海と新田も現れ、
一緒に朝凪が申し出をことわる場面を見届ける。
その後、クラスにもどろうとしていた天海が
前原に、ある頼みごとをしていた場面。
校庭の倉庫の物陰。
反射的に差し出した俺のスマホを受け取って、なにやら天海さんがポチポチとやっている。
《前掲書、 P.82》
「天海さん、何を……」
「えっとね~……お近づきの印? かな? はい、返すね」
そう言って、天海さんが俺にスマホを返す。
ディスプレイに表示されているのは、俺のものではない電話番号。
「それ、私の番号。前原君のも後で登録するから、かけておいてね」
——なぜ、そんなことを?
実際にやられたら警戒しちゃいますね〜。
絶対、断られないだろうと足下を見ているし、
相手を操ろうとする行動が見られる。
自分勝手で厚かましく、傲ったマドンナ——
これが天海の印象かな。
でも、人によっては「おー!」ってなる、
ラッキーな展開だったりして。
マドンナとお近づきになれたわけですからねぇ。
②逢瀬デート【呆・興】
あらすじ——
約束の金曜日になり
朝凪とデートすることになった真樹は、
フード店で同じ学校の生徒と遭遇する。
その場を上手く切り抜けた真樹と朝凪は、
その後もデートを堪能する。
帰宅間際で朝凪が用をたしに行ったあと、
待っていた真樹の前にクラスメイトが現れる。
❶恥かかせる【呆】
週末の金曜に逢瀬デートしていた真樹と朝凪。
二人がフード店で楽しく食事をしていると、
おなじ高校の女子二人組が朝凪に気づいた。
悪い噂が立つことを惧れた朝凪が、
真樹にメッセージを送って、
アクションを起こす場面である。
駅前のハンバーガー店。
『(朝凪) 私も知らない人たちだから、多分上級生じゃない? まったく、私なんて大した有名人でもないのに』
《前掲書、 P.115》
気にしていないふうを装いつつ、朝凪はおもむろに残ったポテトを手に取った。
『(朝凪) 前原ごめん』
『(朝凪) ちょっとだけ恥かいてもらっていい?』
『(前原) どういうこと?』
『(朝凪) こういうこと』
そうして、被っていたキャップを脱いだかと思うと、ニコニコ顔で持っていたポテトを俺の口へと差し出してきたのだ。
「はい、ダーリン。あーん」
——ッ!?——
これは驚き。
隠すどころか、逆に交際アピールですもん。
朝凪は、大胆に行動を起こせるタイプとみた。
そこが、奥手の真樹と正反対なところ。
そんな瞬間を見せつけられた女子たちは、
このあと、どんなリアクションをするのやら。
❷友達と遭遇【興】
駅ビルの中にあるアミューズメント施設で、
真樹は、クラスの美少女と楽しんでいた。
そろそろ帰宅するころあいになり、
朝凪が荷物を真樹に預けてトイレに向かう。
真樹は、彼女が戻ってくるまで待っていた。
そんな時、
背後から真樹を呼ぶ女の声が聞こえた場面。
駅ビル内のアミューズメントコーナー。
背後から、そんな声が聞こえてきた。
《前掲書、 P.140》
「あ、やっぱり前原君だ。お~い、前原く~ん!」
ちょうどクレーンゲームの陰から出てきた集団の一人が、俺のほうへぶんぶんと元気よく手を振って近づいてきた。
ウチの高校の制服。この薄暗さでも一目見て誰かわかる容姿で、なおかつ、今、この場で最も会いたくなかった人物。
「……天海さん」
——ワクワク。
クラスに内緒の逢瀬中にまさかの展開。
あのマドンナ——天海夕が現れるとは、
まさに青天の霹靂(大袈裟)。
いったい、どう切り抜けて見せるのか。
そこに興味が湧きますね。
あっさり関係がバレたら面白くない。
たまたま朝凪を駅で見かけて、
落とし物のバッグを届けようとしていた——
とか、そんな言い訳でごまかすのかな?
③女難ボーイ【嘲・悲】
あらすじ——
朝凪との初デートを終えた週明け、
登校した真樹に天海夕が謝罪してくる。
放課後にお話がしたいという彼女の頼みで、
真樹は、天海と朝凪の3人で下校する。
友達の尾行から逃れた彼らは、
真樹の自宅で合流し、天海も友達になる。
朝凪を自宅に招いて二人で遊んでいた夜、
帰ってきていた真樹の母親の斟酌で、
彼女も一緒の家に泊まることになる。
❶密会の場所【嘲】
朝凪とのデート中、
真樹は天海夕とその取り巻きに遭遇し、
遊びの誘いを強めに拒絶していた。
クラスの人気者を無碍に断ってしまい、
他の生徒たちからの敵対視を真樹は惧れる。
週明けの月曜、
憂鬱な気分で席についた真樹の前に、
天海が謝罪しにやってきた。
真樹も言いすぎたことを誤り、
事態は収束すると期待していた矢先、
天海から放課後も話したいと言われる。
放課後、天海が他の女子を連れて現れた。
彼女の幼なじみの朝凪海である。
一緒に下校中、
彼女たちは、尾行している友人に気づき、
三人で二手に分かれて撒こうと考えた。
落ち合う場所を話し合っていたとき、
真樹が二人に提案を述べた場面である。
下校中の路道。
(……海、どうする?)
《前掲書、 P.180》
(まあ、前原君も悪気はなさそうだし、いいとは思うけど)
お金もかからないし、合理的な選択だと思ったのだが、二人の反応は良くない。
(え? 俺、なんか不味いこと言ったかな?)
(あ、いや、そんなことないよ? ないんだけど……)
(いきなり女の子を自分の家に連れ込むのはどうかって、夕が)
(も、もう! 海ぃ……!)
(あ)
朝凪の指摘で気づいたが、そういえば、表向きは俺と朝凪はさっきがほぼ初めてのまともな会話で、天海さんも似たようなものだ。
——ハハ。
両手に美女を携えて、
さらに自分の家に連れこもうとは——
お主、やりよりますなあ。
しかも、母親は深夜まで帰ってこないとか。
3人でどんな密会が始まるのやら。
❷転寝した男【悲】
いつものように朝凪と自宅でゲームして、
好きな漫画を共有していた前原真樹。
ベッドで眠っていた朝凪に連られて、
真樹も床で仮眠をとることにしたのだが……
前原真樹の自宅。
「──真樹、真樹。こら、早く起きろって言ってんの」
《前掲書、 P.236》
「ん……ごめん朝凪……俺もちょっと眠くなっちゃって……」
「──ふうん、そこの女の子、朝凪さんっていうんだ」
「……え?」
(中略)寝返りを打つと、そこには、依然横になってすやすやと寝息を立てる朝凪がいて。
にもかかわらず、俺のことを呼んだということは──。
そのままゆっくりと、正面に視線を戻すと。
「仕事が久しぶりに早く終わったから帰ってみれば……まさか、アンタが部屋に女の子を連れ込んでるなんてね。説明、してくれるわよね?」
——なんてこった!
母親に異性との交流関係がバレちゃったやん。
なんか、度し難い恥ずかしさを覚えるよね。
自分だったら、絶対、見られたくない。
感想(前半)
◆秘密の共有が読んでいてスリリング
集団社会に溶け込むのが苦手な前原真樹に、
突如、クラスの人気者の友達ができる。
それも、2番目に可愛いと称される美少女。
注目を嫌う真樹は、友達であることを隠し、
美少女の朝凪海とふたりで遊ぶ関係になります。
学校では直接話さず、やりとりは携帯のメール。
別に悪いことをしているわけではないものの、
なんか、背徳感が湧いてきますよねぇ。
不倫、同性愛、社内恋愛、教師と生徒……
世間に隠れて逢瀬するって、なんか刺激的だ。
◆新田新奈がちょっと可哀想
いつも天海夕と朝凪海に付いてる女の子です。
新田も二人の仲良い友達なのかと思いきや、
天海と朝凪から省かれておりました。
そんなに多く登場するキャラじゃないんで、
どういう子なのかよく分からないけど、
なんか同情してしまいます。
天海夕も、そんな感じになるのかな?
くっつくのは真樹と朝凪だから。(たぶん)
後半の感情トリガー
【感情のトリガー↓】258~515P(スマホ)
①嫉妬と不安【凄・胸】
②朝凪の秘密【呆・悸・憐・傷】
③恋しい友達【悸・呆】
【トリガーの内訳】
①嫉妬と不安(朝凪の様子がおかしくなる)
├器用な天海【凄】(スゴッ!)
└素直な二人【胸】(キュン)
②朝凪の秘密(共学に入学した経緯を打ち明ける)
├天海の質問【呆】(ッ⁉︎——)
├恋の急接近【悸】(ドキッ)
├曖昧な決断【憐】(アチャァ…)
└友達の裏切【傷】(ショック)
③恋しい友達(友達以上恋人未満の仲になる)
├朝凪と密着【悸】(ドキッ)
└恋慕の行動【呆】(ッ⁉︎——)
【刺激された感情の種類:6種】
驚度:★★★
呆=突然で呆気にとられる(2)
凄=程度が甚だしくて優れてる(1)
不幸:★
傷=味方から蔑ろにされる(1)
攻撃:★
憐=無様な様子を気の毒に思う(1)
乗気:★★★
悸=魅力的な異性と急接近(2)
胸=無意識な惚れてるサイン(1)
全体を通してのプロット
A【人物・世界観の説明】
①舞台が学園
②出版社で働く母と暮らしている根暗な男——
ゲームが友達の前原真樹が高校に入学する
a【物語が始まる起点・問題】
☆クラスで2番目に可愛い朝凪海と、
真樹はクラスに内緒で友達になる
B【発生した問題への対処】
○毎週金曜日に朝凪と自宅で遊ぶ
b【問題の広がり・深刻化・窮地】
①女子と初めてデートの約束をする
②クラスNo. 1の美少女——天海夕と知りあう
③朝凪とのデートで天海と遭遇する
④朝凪の親友——天海から友達申請される
⑤真樹と朝凪が仲良いことを互いの親に知れる
⑥真樹の家に朝凪と天海も招いて、3人で遊ぶ
⑦文化祭の時期から朝凪の様子が変わる
C【人物の葛藤・苦しみ】
①天海の活躍に朝凪が危機感を覚える
②朝凪と親友の天海が、友達関係を拗らせる
③朝凪が真樹を避けるようになる
④朝凪が真樹と天海の前で、
共学の高校を選んだ理由を語っていく
c【問題解決に向かう最後の決意】
★天海夕への罪悪感から、
真樹と朝凪が関係をリセットしようとする
D【問題解決への行動】
①朝凪が親友の天海に謝罪する
②天海が、真樹と朝凪に罰ゲームを下す
③天海が善処した罰ゲームのおかげで、
真樹と朝凪の距離感がさらに縮まる
読了した感想
◆天海夕は無敵の才色兼備だった!
クラスでNo. 1と称される美少女——天海夕。
長いブロンドに蒼い瞳は、
外国人である祖母から受け継いだもので、
みんなに愛されるようなアイドルキャラです。
天真爛漫で、少し天然っぽいかんじの子ですが、
意外と鋭い勘を持っていたりします。
そんな彼女でありますが、
秘めた能力が開花されておりました。
学園祭の準備で手伝っていた展示物の絵です。
参考資料の漫画をチラッと見ただけなのに、
その後はイメージだけで描き上げてました。
天才肌なんでしょうねえ。
初めてプレイする真樹の対戦ゲームも、
ちょこっとアドバイスしただけで上達するし。
◆一番成長したのは朝凪海
小学3年生のころに天海夕と出会い、
孤立していた彼女と友達になった朝凪海。
もともと交流関係の多かった朝凪が、
友達の輪に天海をいれてあげて、
彼女の本来の明るさを取り戻させていました。
が、中学になってから状況は変わります。
今度は、朝凪がだんだん輪から外され、
これまでの友達は、みんな天海に集中です。
自分の今まで築いてきたものが、
いつの間にか、天海に持ってかれている……。
裏切った友達へのつよいショックと、
親友である天海への嫉妬。
憎しみという負の感情に朝凪は苦しめられ、
それをずっと表に出さずに溜め込んでいました。
このままでは良くないと気付いた彼女は、
前へ進むために心の内を明かすのです。
前原真樹、天海夕と対等の関係になるために。
◆レーティングは広め
『To LOVEる -とらぶる』——
みたいな男性に偏った内容かと思いきや、
意外にもそうじゃなかったですね。
だから、人気だったのでしょうか?
下ネタハプニングも全然なかったですし、
主人公は、まだまだ、お子ちゃまです。
過激なエロ描写は、一切ありませんので、
堅実的なラブコメが楽しめますね。
『クラスで2番目に可愛い女の子と友だちになった』
たかた(著)
日向あずり(イラスト)
長部トム(イラスト)
KADOKAWA
2022年7月20日発売
想像力を鍛えて脳内映像化マスターへ!
※:執筆者の独断と偏見が含まれます。
※:本ページの情報は2023年11月時点のものです。
最新の配信状況はU–NEXTサイトにてご確認ください。
コメント