前半のストーリー
街はクリスマス一色。うちの高校でも、女子校とのパーティ行事があるらしい。野球部の関くんが天海さんをパーティに誘いたいそうで、「前原って、天海さんと仲良い朝凪の友だちだろ?」その手伝いを頼まれ!?
UNEXT
朝凪と曖昧な関係を続けていた真樹は、
クリスマスイブの日に告白を計画する。
その間、彼女との親密度を深めるため、
週末デートに誘っていちゃつく。
◆登場人物
前原真樹……朝凪海と恋人未満の冴えない高校生
朝凪海……真樹と趣味が合うクラスで2番目に可愛い女子
天海夕……クラスでNo. 1の天真爛漫な金髪美少女
新田新奈……朝凪と天海の腰巾着的な可愛い女子
八木沢美紀……初の担任となった頼りなげな教師
関望……真樹のクラスメイトの野球部男子
前原樹……建設会社に勤める真樹の父親
湊京香……樹の部下の二十代女性
『クラスで2番目に可愛い女の子と友だちになった 2』
たかた(著)
日向あずり(イラスト)
KADOKAWA
2022年7月29日発売
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※U-NEXTポイントの消費分は対象外
詳しくは——
感情トリガーとあらすじ、場面
※:本ページの情報は2023年11月時点のものです。
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【感情のトリガー↓】0~254P(スマホ)
①恋愛相談【悸】
②デート服【喜・褒・欲】
③愛活男女【悶/呆】
【トリガーの内訳】
①恋愛相談(恋で悩むクラスメイトが現れる)
└リップケア【悸】(ドキッ)
②デート服(デートに着る服を買いに行く)
├週末の予定【喜】(オー!)
├嫉妬の回収【褒】(スバラシイ)
└隣の席の海【欲】(ゴクリ)
③愛活男女(朝凪と週末のデートを楽しむ)
└恋心の確認【悶/呆】(イイトコダッタノニ/ッ!?)
【刺激された感情の種類:6種】
幸福:★
喜=恵まれた状況を認知する(1)
賛美:★
褒=解決策に納得する(1)
驚度:★
呆=突然で呆気にとられる(1)
不幸:★
悶=期待が何かに阻まれる(1)
乗気:★★
欲=欲望を刺激される(1)
悸=魅力的な異性と急接近(1)
①恋愛相談【悸】
あらすじ——
クラスで2番目に可愛いと称される——
朝凪海と友達になってから数ヶ月が経つ。
真樹は朝凪に告白することを密かに決意し、
クリスマスイブの予定を彼女にたずねる。
学校の五限目で教室を移動中、
真樹はクラスメイトの関君に呼び止められる。
放課後、関君に呼び出された真樹は、
彼から恋愛相談を持ち出される。
リップケア【悸】
文化祭を終えた時期から、
より一層、朝凪と仲良くなった前原真樹。
十二月が始まった寒い週明けの通学中、
真樹は隣りの朝凪に乾燥した唇を指摘され、
彼女のリップクリームで塗ってもらっていた。
朝凪との関節キスかと思いきや、
未使用の新しいリップクリームだったことに、
真樹は、ほんの少しがっかりする。
そんな真樹に朝凪が、
期待させるような発言をする場面である。
初冬の風が肌につめたい登校中。
海との付き合いがより親密になったのは嬉しいけれど、今まで以上に海の手のひらで転がされているような。
《前掲書、 P.32~33》※スマホで閲覧
「あ、ねえ真樹」
「? 今度はなに」
「もうちょっと仲良くなったら、二人で一緒のリップ、使おうね?」
「えっと……それはつまり、」
「……うん」
同じ種類のものをそれぞれ使うのではなく、二人で一つのものを使うという。
——ドキッ!
焦らしますねえ。「もうちょっと」って。
これは、心臓にグサっとくるかも。
好きな人とは、何でも共有したい年頃ですから。
甘~い瞬間を戴きました。
②デート服【喜・褒・欲】
あらすじ——
クラスメイトの関望から受けた恋愛相談を、
真樹はことわっていた。
その翌日、昼休み中に関が天海を呼びだし、
クラスメイトの半分が覗きについていく。
教室に残っていた真樹は、
関のところへ向かい、彼と友達になる。
翌日、真樹は朝凪を週末のデートに誘う。
デート前日の金曜日、
真樹は、朝凪と天海と3人で、
当日着ていく服を買いに行く。
朝凪たちと駅ビルに戻っていた真樹は、
離婚で別居している父親と偶然再会する。
❶週末の予定【喜】
朝凪とは順調に関係を築いているのだが、
真樹は、まだ週末にデートをしたことがない。
朝、自宅に迎えに来てくれた朝凪に、
真樹は思い切ってデートに誘ってみたものの、
すでに天海と新田との約束が入っていた。
もっと前から誘っておけばと後悔していた時、
朝凪が席を外してしまう場面である。
前原真樹の自宅マンションのリビング。
「そっか……じゃあ、残念だけど、そっちはまた次の機会ってことで……海?」
《前掲書、 P.131~132》
「あ、ごめん。これから電話するからちょっと席外すね」
だが、俺からの誘いを受けた海は、スマホで予定を確認した直後、すぐにどこかへと電話をかけ始めてリビングから出て行く。
そして、そこから約三分。
嬉しそうな表情をした海が戻ってきた。
「へへん、大丈夫になったから行けるよ。デート」
——おー!
〈下げて上げる〉恋愛テクニックきたー。
これはリアルでも使えそうですよね。
予定が埋まっていると相手を落胆させてから、
「なんとか都合つけれそうだよ」と言えば、
反動の喜びを与えられるかもしれない。
❷嫉妬の回収【褒】
朝凪とデートする前日の金曜日、
真樹は朝凪と天海の3人で買い物に来ていた。
デート用の服を買うために。
年末近くで混雑している駅ビルの周辺で、
天海が足を滑らせてバランスを崩す。
それを真樹が彼女の手を握って助けてあげた。
先を行く朝凪に追いついた二人は、
まだ手を握っていることを指摘される。
真樹に向けている朝凪の視線が咎めている。
そこで、罪悪感を覚えた真樹が、
この後、見事な方法で挽回する場面である。
混雑しているステーション内。
天海さんがバランスを崩しそうになったところは海も見ていただろうが、それでも、咄嗟のこととはいえ、俺が他の女の子と手を繋いでいるのはいい気分ではないはずだ。
《前掲書、 P.139~140》
(中略)
さて、ここはどうしようか。
まあ、こういう経験のない俺ができることなんて、そう多くはないのだが。
「────」
三人で改札を出て、最初の店へと向かう途中。
俺は海のすぐ隣につき、さりげなく彼女の指に触れた。
「……なに?」
「いや、その……海とはぐれたくないからさ。それで」
「……まあ、別にいいけど」
——素晴らしい。
相手にすこし嫉妬を刺激させて、
一番は君なんだと安心させるテクニック。
前原真樹が、なんだかチャラ男に見えてきたぞ。
あの子、実は恋愛マスターなのでは??
あと、気になるのは天海夕。
告白してきた上級生に「好きな人がいる」と、
彼女は嘯いて断っていたが、
案外、真樹に惚れているのかもしれない。
❸隣の席の海【欲】
本番デートの当日、
身支度をしていた真樹のマンションに、
おしゃれした朝凪がやってきた。
家の中で一緒にコーヒーを飲もうと、
真樹の隣のテーブル席に朝凪が座る場面である。
前原真樹ん家のリビング。
お尻をずらして空いたスペースにそのまま収まる形で、海が俺のすぐ隣に腰を下ろした。
《前掲書、 P.177~178》
香水だろうか、いつもと違う、でもとてもいい香りがする。
「真樹、今、私の足──っていうか太もも見てたでしょ?」
「っ……いや、だって、寒そうだなって思ったから」
触れるかどうか迷っていたが、今日の海のスカート丈は短いし、しかもタイツもはいていないから生足状態である。
——ゴクリ。
自然と生唾を呑んでしまう。
ほんと、描写が上手いですよねえ。
主人公に共感させる持っていき方が。
見られるって分かっていながら、
「見てたでしょ」と訊いてくる小悪魔ぶり。
朝凪海の自尊心の高さが表れています。
自分に自信ないとミニスカは穿けないからね。
それに社会人になったら、
まず、ミニスカを選択することはないはず。
軽薄そうに見えるから。
つまり、とても貴重で尊い時間を、
真樹は体験しているわけですね。
③愛活男女【悶/呆】
あらすじ——
朝凪と週末デートをする当日、
真樹は彼女と一緒に映画鑑賞から始まり、
苦手だったカラオケを最後に家路につく。
が、駅のホームに向かう道中、
真樹は父親の逢引きを目撃してしまう。
帰宅後、真樹は母から来週の予定を訊かれ、
父親との面会日を告げられる。
恋心の確認【悶/呆】
帰宅時間ギリギリまで海と楽しんだ真樹は、
帰りの駅ビル内で彼女に訊かれていた。
自分のことをどう思っているのか、と。
ついに決意を固めた真樹が、
施設内の物陰で気持ちを伝える場面である。
すでに夜を迎えた駅のホーム内の物陰。
もうちょっとちゃんとしたところで伝えるつもりだったけど……予定が合わないのも俺たちらしい気がするし。
《前掲書、 P.240~241》
(俺、海のこと──その、)
(うん……なに?)
トクトクと早鐘を打つ心臓の鼓動を耳の奥で感じながら、意を決して海に今の気持ちをまっすぐ伝えようと口を開いたその時、
──前原さん!
と俺たちから少し離れたところで、俺の名前を呼ぶ女性の声が。
——いいとこだったのに……。
タイミングの悪い邪魔が入る——
もう、お決まりな展開ですが、
やはり、モンモンとしちゃいますね。
今度は誰が邪魔してきたのか?
「前原さん」と読んでいたから、
真樹が以前、駅ビル内で鉢合わせた——
父親の部下の湊京香(二十代)かな?
感想(前半)
◆いちゃつくシーンが割と多め
そんなにいちゃつく?——ってぐらい、
真樹と朝凪がラブラブしております。
昔、小学生に読んでいた週刊少年ジャンプの、
『I”s<アイズ>』寄りなかんじでしょうか。
コメディなところがない恋愛小説です。
高校生に戻って、リア充を体験している感じ。
一緒に手を繋ぎながら登校したり、
買い物やデート、メールの中でもアツアツです。
後半も楽しみですね。
◆〈下げて上げる〉テクニックが勉強になる
あとで回収可能なストレスを与えて、
それをチャラにできる悦びを味わせてあげる。
すると——
相手はこちらに有難味を感じます。(たぶん)
例えば、何かに誘われた場合、
「ごめん、すでに予定が入っている」と伝える。
誘った相手は、少しがっかりするはずです。
その後、
「何とか都合つけれそうだよ」と誘いを受ける。
相手は「ほんとう!?(喜)」——
「よかったー(悦)」となるというわけ。
後半もテクニックが使われているかどうか、
要チェックですね!
後半の感情トリガー
【感情のトリガー↓】254~534P(スマホ)
①父と面会【嘲・突/悸】
②滂沱の涙【切/涙・悶】
③聖夜の幸【綻・悦】
【トリガーの内訳】
①父と面会(真樹が本心を語れず苦悩する)
├真樹のおち【嘲】(ハハ)
└炬燵の中で【突/悸】(オイオイ!/ドキッ)
②滂沱の涙(真樹の抑制していた未練が表れる)
├真樹の未練【切/涙】(セツナイ/ウルウル)
└恋人の契り【悶】(イイトコダッタノニ)
③聖夜の幸(真樹の蟠りが解消される)
├賑やかな声【綻】(シアワセソウ)
└泣き虫同士【悦】(ヨカッタ)
【刺激された感情の種類:8種】
幸福:★★★
悦=困難を乗り越えた今に感謝(1)
綻=幸せそうな姿に顔が綻ぶ(1)
涙=力及ばない悔しさと慈愛を知る(1)
不幸:★★
切=救ってあげれない心苦しさ(1)
悶=期待が何かに阻まれる(1)
攻撃:★★
嘲=茶番さを小バカにした半笑い(1)
突=予期しなかった相手の誤り(1)
乗気:★
悸=魅力的な異性と急接近(1)
全体を通してのプロット
A【人物・世界観の説明】
①12月に入っても真樹と朝凪は友達のまま
②真樹は、イブの日に告白を考えている
③イブの日にクリスマスパーティーがある
a【物語が始まる起点・問題】
☆天海夕に好意を抱くクラスメイトから、
真樹が相談を持ちかけられる
B【発生した問題への対処】
○関望君からの恋愛相談を真樹が断る
b【問題の広がり・深刻化・窮地】
①関望が告白に失敗して真樹と友達になる
②真樹が離婚で別居してる父親と偶然会う
③朝凪との週末デートで、父親の逢瀬と遭遇
④真樹に父親との面会日が迫る
C【人物の葛藤・苦しみ】
①真樹んちで期末試験対策の勉強会をする
②面会で父親が交際相手のことを認め、
母との復縁が無理なことに真樹は傷つく
③朝凪家の夫婦円満な家庭ぶりに、
真樹が自分の抱える未練に気づく
c【問題解決に向かう最後の決意】
★朝凪の父親に諭され、
真樹は家族に本心を伝えようと決意する
D【問題解決への行動】
①イブのクリスマスパーティーに、
母と父、父の交際相手を呼ぶ
②パーティーを終えた真樹が、
朝凪海に告白をする
読了した感想
◆切ない家族愛にちょっとウルウル
後半はドラマっぽい展開でしたね。
アニメ『CLANNAD』みたいな、
なみだを誘う感動ストーリー。
前原真樹の両親が一年前に離婚したせいで、
真樹は、母親の真咲と二人暮らしをしています。
父親の樹と会えるのは面会日のときだけ。
両親の決断に従っていた真樹ですが、
心の内は違っていたようです。
当たり前のように存在していた父と母が、
いまは離れて暮らしているという——
納得のいかない現実にずっと苦しんでいました。
家族は一つ屋根の下でいっしょに暮らすもの。
いっしょに支え合うのが家族というもの。
真樹は、そう思っていたのかもしれません。
できれば、離婚を考え直して欲しい……。
また、大好きな母と父と一緒に暮らしたい。
彼の叶わぬ切ない願いに心が痛みましたね。
最後は、真樹のわがままによる家族集合写真。
両親が再び復縁することはなかったけど、
二人の間に入って手を繋ぎあう場面は、
なんとも微笑ましい瞬間でありました。
◆ようやっと恋人同士に
今さら? って感じですけど、
真樹がちゃんと朝凪に告白をしたのは初めて。
ふたりの初々しい感じが伝わってきます。
純真無垢な恋を見ているかんじ。
とうとう恋人になっちゃいましたけど、
三巻では、どうなっていくのでしょうか?
ガチの喧嘩で、二人の仲が危機になるとか、
思わぬ恋敵が登場するとか、
そこらへんも見てみたいかな。
朝凪に近づくイケメン君に、
嫉妬をおぼえる真樹のようすとかね。
『クラスで2番目に可愛い女の子と友だちになった 2』
たかた(著)
日向あずり(イラスト)
KADOKAWA
2022年7月29日発売
想像力を鍛えて脳内映像化マスターへ!
※:執筆者の独断と偏見が含まれます。
※:本ページの情報は2023年11月時点のものです。
最新の配信状況はU–NEXTサイトにてご確認ください。
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