サスペンス・ミステリー

『シャーロック+アカデミー Logic.2 マクベス・ジャック・ジャック』感情トリガー/あらすじ/場面/考察/感想

イラストAC

前半のストーリー

「後輩クン──キミ、フィオの助手になってよ」 寮の先輩・万条吹尾奈の誘いに乗った不実崎未咲が助手として連れていかれたのはとある島。一人の大富豪が犯罪王の計画書〈マクベス〉を手に入れ、そのお披露目をするというのだ。名のある探偵を招待し、推理イベントを全世界に配信する──はずが、集められた名探偵たちの前で本当に殺人が起こってしまう。(後略)
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推理ゲームに招待された孤島の館で、
本当の殺人事件が起きてしまう。
異世界化した島から抜け出すため、
未咲みさきも含む探偵達が作戦を決行する。

◆登場人物
不実崎ふみさき未咲みさき……亡き犯罪王の孫である15歳の探偵学生
詩亜しあ・E・ヘーゼルダイン……探偵王の娘
恋道れんどう瑠璃華るりか……真理峰探偵学園の生徒会長
宇志内うしない蜂花ほうか……演技が極まる女優探偵
カイラジャッジ……詩亜の侍女
祭舘まつりだてこよみ……未咲と同じクラスの普通探偵
万条ばんじょうふい尾奈おな……小柄で蠱惑的な衒学探偵
えんしゅうてい黄菊おうぎく……ひょうきんな金髪の探偵学生
本宮もとみや篠彦しのひこ……知性的なメガネの探偵学生
ロナ・ゴールディ……世界で最も格式高い英国の探偵学生
大江おおえ団三郎だんざぶろう……金神島のオーナーで大富豪
竜胆りんどう……天照館で働いているメイド
天野あまの守建もりたて……推理解説や講師も務める探偵一族の男
門刈かどかり千草ちぐさ……スラリとした長身白衣の医療探偵
月読つくよみ明来あきら……探偵一族である月読家の嫡男

『シャーロック+アカデミー Logic.2 マクベス・ジャック・ジャック』
紙城かみしろ境介きょうすけ(著)
しらび(イラスト)
KADOKAWA
2023年8月25日発売
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※U-NEXTポイントの消費分は対象外
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感情トリガーとあらすじ、場面

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【感情のトリガー↓】0~325P(スマホ)
①館の行事【
②マクベス【
③密室殺人【

【トリガーの内訳】
①館の行事(名高い探偵たちが館に集まる)
 ├危険な誘惑【嘲】(ハハ)
 └強烈な口撃【呆】(ッ⁉︎——)
②マクベス(館内で白昼堂々と事件が起きる)
 ├暗闇の人影【呆】(ッ⁉︎——)
 ├不審な少年【謎】(ナゾ)
 └箱中の燃焼【呆】(ッ⁉︎——)
③密室殺人(第二の犠牲者が出てしまう)
 └犯人の告白【訝】(ハ?)

【刺激された感情の種類:4種
驚度:★★★
 呆=突然で呆気にとられる(3)
思考:★★
 訝=疑問を抱かせる言動や描写(1)
 謎=行動や現象に不可解を残す(1)
攻撃:★
 嘲=茶番さを小バカにした半笑い(1)

①館の行事【嘲・呆】

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あらすじ——
フィオ先輩の色仕掛けに屈した未咲みさきは、
大富豪がもよおす行事に助手としてともなう。
未咲と同じクラスの仲間も数名が同行し、
孤島に着いた先で案内役のメイドと出会う。
てんしょうかんに案内された未咲とフィオ先輩は、
名高い探偵が数名と顔知りの少女と対面する。
明日あす、行われる犯罪の謎解きをひかえた未咲は、
ゲストハウスの旅館におもむき、
犯罪計画書に関する事件の情報を知る。

❶危険な誘惑【嘲】

現在、未咲みさきはフィオ先輩と一緒に、
太平洋を漁船で航海していた。
その経緯が回想シーンで語られる。
幻影寮で未咲はフィオ先輩に夜這よばいをされ、
「助手になってよ」と、
甘い誘惑を掛けられていた場面シーン

未咲の部屋。

ベッド
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「エッチなことというのは……具体的に、どのような……?」
 フィオ先輩はにんまりと笑った。
 そして自分のキャミソールの裾に手をかけた。
「このような♥」
 (中略)
「むぶぼあぁぁぁ──────っ!?」
 かくして。
 俺は家族以外のナマチチを見たことがある男となり、同時に、ばんじょうふい尾奈おなの探偵助手となったのだった。

《前掲書、 P.26~27》※スマホで閲覧

——ハハ。

悲しい男のさがですな。
今回、フィオ先輩のイラストがあります。
結構、なまめかしいスタイルだったんですね。
文章では容姿についての情報が少なすぎて、
詳しく書かれておりません。
どんな髪型? 目の色は? とかは不明。
勝手に幼児体型をイメージしてたんですが、
全然、ちがってて驚きです。
仮にも探偵候補生である未咲が、
相手の容姿をチェックしないとは意外だ。

❷強烈な口撃【呆】

フィオ先輩の助手としてともなった未咲は、
大富豪が企画した謎解きイベントのため、
とうに建てられたてんしょうかんにやってきた。
すでに6人の名のある探偵が集まっており、
未咲の正体に気づいた少女が近づいてくる。
不実崎ふみさき未全みぜんの孫に好奇心をせながら、
ロナというイギリスのお嬢様が、
しゅく女然じょぜん丁寧ていねいなあいさつをしてきた。
未咲はロナのしょに好印象をいだく。
ロナが次に挨拶した相手はフィオ先輩。
この後、フィオ先輩の放った一言で、
その場の人達をぜんとさせてしまう場面シーン

天窓から日差しが入る天照館。

館
イラストAC

 ロナは次に、俺の隣にいるフィオ先輩に視線を移し、
ばんじょうふい尾奈おなさまですうわね。あなたのおウワサもかねがね──」
 そう言いながらロナは先輩に握手を求めた。
 先輩は数秒間、じっとその手を見つめたかと思うと、
「もうちょっとちゃんと手ぇ洗ってきてくれる?」
「……、はい?」
「(割愛)触った手で触んなって言ってんの。クソビッチさん」
 空気が凍った。

《前掲書、 P.56》

——ッ!?——

衝撃的な発言にびっくり。
一部、割愛させていただきました。
いかにも八方美人にる舞うロナ嬢に向かって、
超然とした小学生なみのちっこいフィオ先輩が、
不意ふいはらったような一言です。
いやぁ、これだから面白い。

■イベントの参加者

イベントの主催者——大江おおえ団三郎だんざぶろう
パツンパツンスーツの太った初老男で、
孤島の金神島かなじまとうの所有者である大富豪。
犯罪王の〈劇団〉マニアである彼が、
秘密のルートで手に入れた犯罪計画書〈マクベス〉を使い、
犯罪のデモンストレーションを行うという。
それを、集めた探偵達に推理してもらい、
トリックと犯人を解いてもらうのがしゅである。

一章の概要

②マクベス【呆・謎・呆】

イラストAC、o-dan

あらすじ——
明日に犯罪計画書〈マクベス〉の推理競争をひかえた一同は、
ゲストハウスにち着き、就寝につく。
その深夜、未咲の部屋の防犯対策セキュリティを突破し、
何者かが寝込みをおそおうとする。
翌朝よくあさ、メイドの竜胆りんどうに呼ばれた探偵たちは、
てんしょうかんの食堂に集まる。
主催者の大江おおえ団三郎だんざぶろうがゲストらの前に現れ、
〈マクベス〉の現物をお披露目する。
が、注目する探偵たちの目の前で、
ケースに保管されていた犯罪計画書〈マクベス〉が焼失する。
犯罪演習のはずが、本当の殺人事件が発生する。
金神島かなじまとうにいる全員がホログラムに閉じ込められ、
システムを動かす8人目の声紋登録者が浮上する。

❶暗闇の人影【呆】

犯罪計画が書かれたマクベスを考えながら、
未咲はゲストハウスの自室でねむりについた。
なつかしい『あの人』との思い出が夢でめぐり、
ふたたび目をましたときだった。
暗闇の部屋の中に、
未咲を見下す怪しい人影が襲おうとした場面シーン

ゲストハウス——
未咲の部屋。

ベッド
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 闇の中で、見知らぬ人影が俺を見下ろしていた。
 ……また先輩か?
 いや、フィオ先輩はもっとちっちゃい……。
 ……え……?
 じゃあ、誰……?俺の手首に、何か冷たくて細いものがそっと添えられた──
「──はい、そこまでー」
 パチ、と電灯がついた。
 闇が拭い去られ、影に色がついて、俺はやっと自分の手首に添えられたものに気がつく。
 注射器。

《前掲書、 P.136》

——ッ!?——

あれ?
暗証番号つきの部屋だから、
入れるのは未咲かのぞいていたフィオ先輩だけ。
なのに、おそってきたのは先輩じゃない?
どうやって入ったのだろうか?
あやしいのは同い年のロナあたりだけど、
夜襲を仕掛けてくる動機が不明だね。

❷不審な少年【謎】

未咲への夜襲に失敗したロナは、
自分のマスターと密かに連絡を取っていた。
未咲への色仕掛けをあきらめていない彼女は、
マスターとの通信を切り、
今一度、使命に闘志を復活させる。
が、ロナの背後から少年の声が聞こえてきた。
ロナは振り返る。
視界のさきで見知らぬ少年が立っている。
その少年が意味深な言葉を投げかけいた場面シーン

場所不明(ゲストハウス?)

 部屋に盗聴器が仕掛けられていることを警戒して、私は誰もいない1階の廊下でマスターと通信していた。その真っ暗な廊下の真ん中に──
 少年が。
「……誰……?」 
  (中略)
「自由になる時が来たんだよ。君も覚えているんだろう?」
「……え……?」
 謎めいた言葉を投げかけられて、戸惑って、瞬きをして。
 その時には、少年は消えていた。

《前掲書、 P.160~161》

——なぞ。

これはどんな伏線になってるんだろう?
少年は幻だったのか?
コードネーム〈1313ダブルサーティーン〉——
ロナも生徒会長と同じ、
犯罪王の被害者でゆいつの生き残りでした。
故郷と家族をほろぼされていたそうです。
未咲に対してうらみを抱えているのは確か。
〈1313〉の使命とは何なのか?
〈マクベス〉という脚本を入手し、
復讐をげることなのか?
まだ分からないのは、不実崎未全みぜんの正体。
本当に彼は恐怖をもたらした主犯だったのか?
つかまって死刑になったという話も眉唾物まゆつばもの
犯罪王は生きている気がしてならないね。

❸箱中の燃焼【呆】

未咲みさきらが孤島の屋敷を訪れてから翌日の朝、
探偵と助手をふくむ8名が本館に集められた。
食堂にそろった一同のまえに、
主催者である大江おおえ団三郎だんざぶろうが姿を現す。
犯罪王が記した現存する犯罪計画書〈マクベス〉を見せられ、
彼が催す、謎解きゲームについて説明を受ける。
その後、大江が探偵ら8名に朝食をもてなした。
が、団三郎の計画にない音声が発生する。
未咲たちは、これも演出の一部と思っている。
そんな時、犯罪計画書〈マクベス〉が保管されている——
厳重なケースの中で異常事態が起きる場面シーン

朝食前に集められた天照館の食堂。

食堂
イラストAC

 大江団三郎だけが、戸惑いときょうがくと怒りを満面に浮かべていた。
「なんだこの放送は……! おい! こんなのは予定に──」
 そのせつだった。
 透明な箱の中が──燃え上がる。
 古びた紙の束が、またたれんほのおに取って代わられる。
 燃えて──いる。
 犯罪王の計画書〈マクベス〉が──燃えている……!

《前掲書、 P.173》

——ッ!?——

んー、これはどっちなんだろう。
音声と書物のしょうしつ大江おおえ団三朗だんざぶろうの演出で、
すでにゲームが始まっているということなのか?
もしそうでないのなら、
いったい、だれの仕業だというのか?
てんしょうかんのなかにひそんでいるだれか。
ケースに1人だけ近づいて計画書を見ていた——
TVテレビで推理解説をしてる二十代の天野あまの守建もりたけとか。
名前のある人物、全員が容疑者だからね。
ただ、みんな書物に注目していたわけだから、
小細工する暇はなかったはず。
ケースに初めから仕掛けをほどこさないかぎり、
密室の書物をやすことは不可能。
書物入りのケースをはこんできたのは、
天照館のメイドである竜胆りんどうという女だった。
黒幕の協力者である可能性が十分考えられる。
それとも、天窓がルーペ代わりとなり、
収れん火災を起こしただけなのだろうか?

■二章の概要

③密室殺人【訝】

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あらすじ——
ホログラムの迷走めいそうが進み、
探偵らは天照館でのろうじょうあきらめる。
拠点きょてんをゲストハウスに代えたあと、
未咲は2人の仲間にともない、砂浜へ向かう。
島の外から送られたUSBメモリの回収に失敗し、
未咲たちは、再びゲストハウスに引き返す。
そこでメンバーの1人が謎の不審死で見つかり、
配信の状況からカイラが事件を再現してみせる。

犯人の告白【訝】

未咲みさきは、バリツという武術を扱う探偵——
詩亜しあ月読つくよみ明来あきらと一緒に砂浜でたいしていた。
〈犯罪劇団〉の筆頭ひっとう——『あの人』——
である未咲の叔父おじソポクレスに。
戦闘に挑んだ月読が制圧された。
詩亜の空砲によってソポクレスが静止する。
未咲は叔父にうながされ、配信映像を確認した。
ゲストハウスにいる仲間の1人——
医療探偵の門刈かどかり千草ちぐさの異変に気づく。
その一瞬をつかれ、ソポクレスに逃げられた。
未咲らが砂浜に来た目的——
ホログラムの無効化USBメモリの回収——
うばい去って。
HALOシステムを無効にできる手段を失い、
未咲たちはゲストハウスに引き返す。
門刈千草はすでに亡くなっていた。
現場は密室状態。毒殺のような死に方で。
天井には見立て殺人を示す文字がある。
門刈は死ぬ直前、不審な行動をとっていた。
探偵たち、全員がこの謎にくすぶっている中、
1人の人物が声をげた。
その人物が衝撃の告白をする場面シーンである。

ゲストハウス。
門刈千草の部屋。

「──……皆さん、聞いてください」
 世界は加速していく。
 俺を置き去りにして。
 天野あまの先生が唐突に口にした言葉は、俺たちをさらなる混沌こんとんたたき込んだ。
「僕が、犯人役なんです」

《前掲書、 P.325》

——は?

もう、複雑すぎてついていけない。
大江おおえ団三郎だんざぶろうの死とケースの発火はっかは不明のまま。
門刈かどかり千草ちぐさの不審死で、新たな謎の提示。
宇志内うしない蜂花ほうか恋道れんどう瑠璃華るりかのダブル登場。
二重人格のように大人しくなったロナの様子。
そのロナの前に現れた謎の少年。
こんなに謎を連発させて混乱しない訳がない
真理峰学園の生徒を容疑者からはずせば、
うたがわしいのは、ロナ、月読つくよみ天野あまの竜胆りんどうの4人。
だけど、彼らにもアリバイがあった。
この難解事件を起こせるとしたら、ただ1人。
それは被害者自身が他殺をよそおったという仮説。
団三郎だんざぶろうは壁に短剣を飛ばす細工をしていた。
門刈かどかりは自ら毒にれたかして密室を作った。
これなら事件の謎は容易に説明がつく。
が、何のために? イベントのため? 
それとも脅迫で自殺を強要されていた?
そこが分からない。
天野あまの守建もりたけが犯人役ということは、
被害者役もいたということだよね?
やっぱ、ついていけないぜ、こりゃ。

章の概要

感想(前半)

◆情報量の多さに脳がオーバーヒート

本書では手がかりになる部分を、
太字にしてくれています。
これが意外と多いのです。
絶対、事件を解かせたくないという、
筆者の思惑みたいのがみてとれますね。

◆SFファンタジー感のあるミステリ

各所に配置されたHALOシステムにより、
館内のみならず、
島全体をも異次元に変えられてしまいます。
この近未来的な要素が加えられることで、
使い古されたトリックでも気にならないという、
紙城先生の計らいは大成功でしょう。

◆伏線もたくさん貼られてる

〈マクベス〉の事件に関わるもの。
詩亜とカイラの不審な行動。
意味深な言葉を伝える謎の少年。
スパイだったロナのマスター。
そして、一番気になったのは、
どこかでネット配信を見ていた謎の女です。
誰かのことを「にぃにぃ」と呼んでいました。
もしかすると、
未咲の妹ということもありえます。
不実崎未香みか——後半に登場するのか?
早く解決編が読みたくなりますね。

後半の感情トリガー

【感情のトリガー↓】326~645P(スマホ)
①友の支え【
②関門突破【/
③虚実解明【

【トリガーの内訳】
①友の支え(弱腰の未咲を勇気づけさせる)
 ├短剣の刺殺【定】(ヤッパリ)
 ├消えた人物【察】(マサカ…)
 └謎の支援者【察】(マサカ…)
②関門突破(探偵たちがホログラムの攻略に挑む)
 └先輩の反論【訝/驚】(ハ?/エッ⁉︎)
③虚実解明(マクベスを使った真犯人が判明する)
 ├黒幕でない【訝】(ハ?)
 └死んだはず【驚】(エッ⁉︎ イガイ)

【刺激された感情の種類:4種
驚度:★★
 驚=予想外の出来事(2)
思考★★★★★
 訝=疑問を抱かせる言動や描写(2)
 定=察した予想がピタリと一致(1)
 察=ヒントから展開の予測がつく(2)

全体を通してのプロット

A人物・世界観の説明
①舞台が大富豪が所有する孤島の館
②招待された探偵達がイベントに集まる

a物語が始まる起点・問題
館内で本当の殺人事件が発生する
参加者が孤島に閉じ込められる

B発生した問題への対処
①ゲストハウスに参加者が逃げ込む
②HALOシステムのハッキング案を実行する

b問題の広がり・深刻化・窮地
①犯罪劇団の大物と遭遇する
②密室で第二の犠牲者が現れる
③容疑者が姿を消す

C人物の葛藤・苦しみ
①未咲が罪悪感と無力感にさいな
②マクベスの手がかりを整理する

c問題解決に向かう最後の決意
★未咲が反論で黒幕に挑む決意をする

D問題解決への行動
◯探偵達がHALOシステムを論破で解除する

読了した感想

◆宇志内蜂花のアレの秘密

女優探偵と称す宇志内うしない蜂花ほうか
またの顔、生徒会長である恋道れんどう瑠璃華るりか
この2人は同一人物であります。
ですが、宇志内と恋道ではアレが異なります。
バストのサイズが全然ちがうのです。
ゲストハウスで汚れたからだを洗おうと、
未咲が浴場を訪れました。
いたのです。着替え中の宇志内蜂花が。
ややあり、2人は一緒に湯船にかります。
宇志内が気になるバストの秘密を、
未咲にかしてくれます。
後の大事な伏線となる部分なのですが、
夢を失ったような悲しい気分に……。
男なら分かるはず……でしょ?

◆フィオの変な願望の理由が判明!

未咲がフィオ先輩と呼ぶ、万条ばんじょう吹尾奈ふいおな
小学生並みのたいでありながら、
わく的なボディと挑発的な言動が特徴の少女。
フィオの願望は『論破されること』です。
今回、未咲を助手に選んだのも、
前回、裁判で自分を論破してくれたから。
なんで、論破してもらいたいのか?
友達の少なかった傲慢ごうまんなフィオにも、
1人、友達と呼べる女の子がいました。
自分の論破におごっていたフィオは、
友達の切実ななやみに気づけなかったのです。
残されたのは後悔と罪悪感。
友達は、フィオの目の前で自殺しました。
だから、自分を論破してほしいのです。
自分のあやまりに気づかせほしいんですね。
辛い過去をり返さないように。

◆スッキリ感がいまいち

伏線は、たくさん出してくれていますが、
その回収に少し違和感を覚えてしまいます。
マクベスの焼失の謎は、そのまま放置。
門刈かどかり千草ちぐさがどこで、何に触れて、
アレルギーを出していたのか。
室内を探索していたのにも関わらず、
新たなに判明する仕掛け。
黒幕の背景があまりにも未詳で、
どうしても納得できない点など。
最後も、島から脱出する描写がありません。
推理の仮説が正しかったのか不明なのです。
手の込んだ暗号・仕掛けが、
裏目に出てるような印象ですかね。
一巻ほど楽しめなかったのが残念。
難解すぎた。

シャーロック+アカデミー Logic.2 マクベス・ジャック・ジャック』
紙城かみしろ境介きょうすけ(著)
しらび(イラスト)
KADOKAWA
2023年8月25日発売
想像力を鍛えて脳内映像化マスターへ!

推しの殺人(感情トリガー/紹介/あらすじ/感想)
マッチング(感情トリガー/紹介/あらすじ/感想)
アリアドネの声(感情トリガー/紹介/あらすじ/感想)
ファラオの密室(感情トリガー/紹介/あらすじ/感想)
魔術探偵・時崎狂三の事件簿(感情トリガー/紹介/あらすじ/感想)

※:執筆者の独断と偏見が含まれます。
※:本ページの情報は2023年9月時点のものです。
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