サスペンス・ミステリー

『不死探偵・冷堂紅葉 01.君とのキスは密室で 』感情トリガー/あらすじ/零雫/考察/感想

o-dan

前半のストーリー

七月■日。謎の美少女・冷堂紅葉(れいどうもみじ)が転校してきた夏の日、クラスメイトが殺された。密室殺人だった。(中略)不死探偵と“普通”の相棒。再現不可能な殺人事件に挑む学園ミステリー、堂々開幕!
引用元:U-NEXT

美少女・冷堂れいどうが転入してきた天内あまないの高校で、
殺人・盗難とうなん・殺人すい密室みっしつ事件が起こる。
事件にき込まれた冷堂を助けるため、
天内晴麻はるまが時空を飛び越え、謎にいどむ。

◆登場人物

冷堂れいどう紅葉もみじ
晴麻のクラスの転入生。
さい煥発かんぱつな淑女に加え、
凹凸おうとつの肢体がなまめかしい。
高層建物マンションで一人暮らし。
謎めいた不思議ちゃん。

天内あまない晴麻はるま
私立青崎高校二年A組。
文学研究会に所属し、
ミステリー小説を好む。
下宿アパートで一人暮らし。
特殊な秘密がある。

笹村ささむら大和やまと……晴麻と同じクラスの野球部男子
奥原おくはら鷲雄わしお……晴麻と同じクラスのテニス部男子
宮川みやがわあい……晴麻と同年代のB組女子
カルバン……文学研究会に属する金髪青眼男子
塩江しおのえ蜜柑みかん……文学研究会に属するパーカー女子
律音りつね澪太郎みおたろう……晴麻の知り合いの刑事27歳
芦原あしはら伊代いよ……宮川愛と同じクラスで親友
山内やまうち絵里えり……晴麻と同じ高校の一年生女子

『不死探偵・冷堂紅葉 01.君とのキスは密室で』
れいしずく(著)
美和野みわのらぐ(イラスト)
SBクリエイティ
2023年7月12日発売
購入金額の最大40%が、
32日後にポイントで還元されます!

※U-NEXTポイントの消費分は対象外
詳しくは——

感情トリガーとあらすじ、場面

※:本ページの情報は2023年8月時点のものです。
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【感情のトリガー↓】0~328P(スマホ)
①不審な死【
②重なる禍【
③異能力者【

【トリガーの内訳】
しんな死(学校内で不可解な事件が起きる)
 ├密室体育館【推】(マテヨ…)
 ├ブラジャー【蟠】(キニナル)
 ├しゅくじょこう【呆】(ッ⁉︎——)
 └晴麻の秘密【知】(ヘェ~)
かさなるわざわい(またも学校内で大事件が起きる)
 ├怒気どきの通話【怪】(ン⁉︎ ナンダロウ?)
 ├こつな冷堂【笑】(アハハ)
 ├第二の密室【謎】(ナゾ)
 └電話のしら【驚】(エッ⁉︎ イガイ)
③異能力者(冷堂の秘密が明かされていく)
 ├取っ組合い【呆】(ッ⁉︎——)
 ├私を助けて【茫】(????)
 └冷堂の成長【驚】(エッ⁉︎ イガイ)

【刺激された感情の種類:9種
驚度★★★★★
 驚=予想外の出来事(3)
 茫=神秘的な現象に遭遇する(1)
 呆=突然で呆気にとられる(1)
思考:★★★
 知=豆知識を教えてくれる(1)
 推=謎を解く仮説を考察する(1)
 謎=行動や現象に不可解を残す(1)
不幸:★
 蟠=中途半端でまだ未解決(1)
恐怖:★
 怪=様子に違和感を覚える(1)
攻撃:★
 笑=滑稽さを感じて可笑しい(1)

①不審な死【推・蟠・呆・知】

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あらすじ——
立青崎高校りつあおざきこうこうに通う2年の晴麻はるまのクラスに、
さいしょくけん冷堂れいどう紅葉もみじが転入してきた。
転校初日、校内の案内役をつとめていた晴麻は、
自分が所属する文学研究会の仲間を紹介し、
興味を持った冷堂が入部を決める。
のち、最後にまわったある場所で、
警察沙汰ざたの大事件と遭遇そうぐうする。
ミステリ小説のような密室事件に、
冷堂と晴麻が真相を追いかける。

❶密室体育館【推】

転入してきた冷堂れいどうに校内の案内をにな晴麻はるま
二人が最後に体育館の方をまわったとき、
女性のさけび声が中から聞こえ、
れていた用具室の中を目撃する場面シーン

七月七日(木曜日)。
放課後の体育館の中。

写真AC

 そして、その景色の一片……、ちょうどダンベルが転がっているあたりだ。
 そこには、一人の人間が力なく横たわっていた。制服を着ていることから、この学校に通っている生徒ということはすぐにわかった。
 口を開けっぱなしの、生気のない表情。
 スポーツ刈りの頭を中心に床に広がる、赤い血。どうやら、頭部から出血しているようだった。

《前掲書、 P.54~56》※スマホで閲覧してます

——まてよ……(推)

ポイント

  • 亡くなってたのは笹村ささむら大和やまと
  • 体育館と用具室は施錠してあった
  • 鍵を開けたのは一年の山内やまうち絵美えみ
  • 用具室の配置が変わっていた
  • 後から宮川みやがわを含む3人の女子も現れた

事件は放課後前に起きていたのでは?
あのスポーツりの被害者は、
晴麻が体育の授業終わりでじょうする時、
中にのこっていたのかもしれない。
例えば、授業をサボりたかったとか、
放課後のサプライズの予定だったとか。
じゃ、誰が犯人だって?
そもそも、犯人はいないんじゃないかな。
ドジな被害者が無理な筋トレをして、
あやまってダンベルを頭にとした可能性もある。
密室トリックが、これで解明——
なんてね。
まさか、第一発見者が犯人なのか?
体操服を着ていた山内絵美……。
ミステリなら女子も犯人になりえるからね。
で、晴麻達のはいを感じた女の子が、
気づかせるように大きなめいをあげた。
女子からの告白をほのめかして、
体育館にび出していたのかもしれない。
どうは男女のもつれってやつなのかな。
体育館が本当に密室だったかもあやしい。
かっぐちがあったのかもしれないし、
換気口や窓から入れた可能性もある。
やはり、実際に現場をたしかめないとダメだ。

❷ブラジャー【蟠】

警察の事情聴取の順番待ちで、
晴麻と他、現場にいた者は教室で待機。
その時、冷堂がある疑問を口にしていた場面シーン

呼ばれるまで待機している一年の教室内。

教室の画像
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「被害者の男性は、なぜあんなものを持っていたのでしょうか?」
 (中略)
 この事件をブラジャー密室殺人事件、とでも名付けようか? などと考えていると、俺の頭の中で一つの事実に結びついた。

《前掲書、 P.70~72》

——気になる。(蟠)

黒い下着を右手に握っていたようです。
黒といったら勝負下着ですよね?
まさか、用具室で勝負をしていたのか?
んなわけはないとして、
どんな事実とむすびつくねん。
そして、だれの下着だったのか?
今、その女の子はノーブラかもしれない。
その子を見つければ、
何か情報を聞き出せるはず。
いや〜、ミステリーですねえ。
上手いなあ、せ方が。
答えが気になるもん。

❸淑女の奇行【呆】

夜遅くに学校から解放された晴麻と冷堂。
一人暮らしの彼女を家まで送ったあと、
晴麻は家に上がらないかとさそわれていた。
その甘言に誘惑されてしまった晴麻が、
冷堂のマンションの一室に入っていく場面シーン

七月七日(木曜日)——二十時を回る。
冷堂が住んでいる高層建物マンション7階の部屋。

マンションの部屋
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「はは、こんなところに一人で住めるなんてうらやまし」
 振り向いた瞬間、俺は冷堂に突き飛ばされ……いや、違う、寄りかかられる? 冷堂は全体重を俺に掛けるように倒れ込んできたのだ。そうだ、これは、
「な、何だ!? どうした!?」
 いわゆる「押し倒される」という状況か。

《前掲書、 P.91~92》

——ッ!?——(呆)

なんだ、なんだ?
いったい、どうした?
よろこばしいのか、おそろしいのかよく分からんぞ。
冷堂はおそらく、
女性が犯人だった場合を仮定し、
男をおそえるかどうか検証しているのかも。
というか、
まだ高校生の女の子が一人暮らしって、
僕が親なら反対だけどなあ。
セキュリティ度が高くても心配だよね。
さあ、この後の展開は——

❹晴麻の秘密【知】

部屋の中で冷堂にし倒されていた晴麻が、
自分のかくしていた秘密について語る場面シーン

冷堂の部屋のリビング。

「俺の異能力は、……時間を逆行できる」
 手には何も持っていないが、俺は自分の掌を見ながら努めて淡々と話す。
 (後略)

《前掲書、 P.102~108》

——へえ〜。(知)

引用文が長くなっちゃうんで、
分かりやすくまとめると——

晴麻の異能力の特徴

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■発動条件

誰かと接吻せっぷんを交わす

副反応

運命を変えると
 不幸が訪れる

時間こうしば

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不自由……戻る日時を自由に決めれない
認識後……死亡を認識した以前には戻れない
(仮に誰かの死体を発見した場合、
 それ以降からランダムの時間に戻る)

不可能……死者を未然に防ぐことは出来ない
(②の理由から)

ということで、
亡くなった方をすくうことは出来ないみたい。
(過去にもどる時点で、
 誰かの運命が変わると思うのですが……)
用具室で発見した以降の過去にかぎられる。
あやしいのは、他クラスの宮川みやがわあい——
ブラの持ち主かもしれない——だけど、
意外な人を犯人にするはずだから、
やはり、第一発見者の山内やまうち絵美えみあたりかな?
でも彼女、アリバイがあったんだよなあ。
死亡時刻の時、授業に出ていたらしいのです。
ん〜、分からんですのー。
冷堂も異能力者らしいけど、
この事件を解決しないと教えてくれない。
ちなみに、犯人は普通の人とのこと。
異能力者ではないと彼女は断言していました。
鼻がくようです。

②重なる禍【怪・笑・謎・驚】

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あらすじ——
体育館の密室事件から翌日よくじつ
晴麻はるまと転校生の冷堂れいどうが関係者をたり、
不可能犯罪の手がかりをっていた。
聞き込みの情報を共有するため、
部室でち合う約束をしていた晴麻は、
旧校舎へと足をはこぶ。
が、そこでまた大事件と遭遇そうぐうするのだった。

❶怒気の通話【怪】

変死事件から翌日よくじつ
晴麻と冷堂は、宮川の話を聞くことにした。
晴麻が宮川をびに行っているあいだ、
冷堂が昼食を買いに購買こうばいへ向かっていると、
携帯で話しているカルバンを目撃する場面シーン

七月八日(金曜日)、十二時三十分。
昼休みに入った新校舎の購買部ちかく。

みんちりえ

「関係ねえだろ、俺にはよ」
 (中略)
「別になくても困らねえよあんなもん……、自分でなんとかするから大丈夫だ。……今日? ああわかった。探せば文句ねえだろ」

《前掲書、 P.123》

——ん!? なんだろう?(怪)

電話の相手は塩江しおのえ蜜柑みかんかな?
おなじ文学研究会のパーカー女子。
晴麻と冷堂をふくむ4人だけの部の一人。
さがすって、なんのことだろうか?
事件と関係する何かの伏線ふくせんなのか?
冷堂のおなかの音でながされてしまったが、
なんか意味ありげなシーンだよね。
だけど、さっぱりつながりが分からない。
冷堂が事件当日の昼12時半に、
鍵のかかった体育館前でひろった指輪もあやしい。
あの時、ポケットにくすねていたけど、
落とし物にとどけたのだろうか?
今も持ち歩いているのか?
ガイシャの死亡推定すいてい時刻は13〜14時の間。
つまり、冷堂が来たのは犯行が起きる間近だ。
あ! 探すって、その指輪のことか?
指輪と事件がどう繋がるんだろう……。
ん~、ミステリー。

❷無骨な冷堂【笑】

きゅう校舎こうしゃで一緒に昼食をとっていた晴麻達3人。
晴麻と冷堂が一人暮らしだと知り、
天然っぽい宮川みやがわは、二人に感心をする。
そんなかみを二つにむすんでいる宮川あいに、
冷堂がきぬせぬ発言をしてしまう場面シーン

七月八日(金曜日)。
旧校舎三階の文学研究会のしつ

みんちりえ

「宮川さんも高校生には見えないですよ、色々」
 唐突に、冷堂がぶっ込んできた。どういう意味だそれは! と心の中でツッコンだが、言わんとすることは理解できる。そのせいで口に含んだ飲み物を吹き出しそうになる。
 (中略)
「宮川、落ち着こう」
「天内くん~……」
「私より確実に大きいように見えます。気になります」
「うぁばばばばば」
「冷堂ー!!」

《前掲書、 P.130〜132》

——あはは。(笑)

宮川のキャラが面白い。
やっぱ、天然キャラって良いですね。
ちょっと前から、滑稽こっけいなジャブをたれ、
ついに、このシーンでいてしまいやした。
どんだけ大きいのか気になるじゃないですか。
ガチなシリアスミステリじゃないとこが、
また、僕にはまって最高ですわ。
いや〜、まだ分からないけど、
犯人であってしくないな〜、宮川。
あの天然キャラは演技ってオチは勘弁かんべんですよ。

事件当日タイムテーブル

ここも謎ですよねえ。
なぜ被害者の男は、ブラをにぎっていたのか?
そして、誰がぬすんでいたのか?
ちゃんと女子更衣室の見取り図もあったけど、
なぞは深まるばかり。
B組の女子は、みんな検問けんもんを受け、シロだった。
宮川みやがわのブラを盗んでいなかったのです。
更衣室の鍵をあずかる先生も証人がいてシロ。
窓は外倒しですきが小さく、しのべれません。
ただ、最後に残ってた生徒が、
ブラを窓からほおり投げることはできる。
外で待機している協力者がいたのかもしれない。
だけど、必要性がまったくわからん。
くやしい……。

❸第二の密室【謎】

放課後、別々べつべつで聞き込みをしていた晴麻は、
旧校舎の部室で冷堂とち合う予定だった。
部室のかぎを持っていた晴麻は、
冷堂をたせないようにいそいで向かう。
が、いつもひらかれている旧校舎の入り口が、
だれかによって内側から鍵をけられていた。
1時間以上もまわりのまどを調べていたとき、
一階の窓のひらかれる音を晴麻は確認する。
そのいた窓から部室へけ込む場面シーン

七月八日(金曜日)、十八時。
三階建ての旧校舎。

写真AC

 とりあえず俺は、開いていた窓から中に入り、入り口の扉を開錠した。やはり内側から鍵が掛けられていた。
 (中略)
 そして心臓には、大きな刃物が突き刺さり、直立していた。これはなただろうか。
 これではまるで磔刑たっけいだ。彼女は心臓を貫いて地面に固定されているのだ。

《前掲書、 P.187〜190》

——なぞ。(謎)

プロローグで出てきためんですね。
まだ体育館の密室みっしつも解決されてないのに、
第二の密室——それもあきらかな凶悪犯罪事件。
しつにどうやって入れたのだろうか?
鍵は晴麻がっていたのに。
部室の鍵を掛けわすれていたのだろうか?
ガイシャは、どうしておそわれたの?
しき的、もしくは芸術的な演出をほどこして……。
塩江しおのえとカルバンの用事も気になるし、
なぞな要素が多すぎる。
一階の窓から犯人がげたってこと?
いや、そう思わせてどこかにひそんでた?
晴麻のタイムリープを使っても、
くなった被害者はすくえないんだよね?
認知しちゃったから……。
どうすんだ、この後の展開てんかい

❹電話の報せ【驚】

旧校舎の大事件から翌日よくじつ
27の律音りつね刑事に呼ばれた晴麻と宮川みやがわは、
きってんで事情聴取をされていた。
聞き取りが終わり、
晴麻と宮川が帰路きろにつこうとしていた場面シーン

七月九日(土曜日)。
昼間の喫茶店。

o-dan

「電話だ、出るね。二人ともありがとう」
 ミオさんはまた俺達に謝辞を述べて、歩きながら電話に出た。
「俺達も帰るか」
「そうだね」
「……なんだって!?」
 (後略)

《前掲書、 P.210〜211》

——えっ!? 意外。(驚)

後略でかくしときましたが、
こりゃあ、びっくり。
なんか、未知みちな力が働いているような……
だれかの異能力によるものだったりして。
そんなことって、ある?
ゴールデンカムイの杉本すぎもとじゃあるまいし。
12歳くらいのアシリパちゃんにき添う、
タフで面白おもしろい男です。

ゴールデンカムイ公式サイト

ほんと、展開が読めなくて最高です!
謎とおどろきがたまらん。

③異能力者【呆・茫・驚】

o-dan

あらすじ——
きゅう校舎こうしゃで起きた大事件から週がけ、
学校は一週間休校することを発表する。
下校することになった晴麻はるまは、
校舎裏にばれたカルバンに不審をいだく。
一悶ひともんちゃくあり、ひとたたずんでいた晴麻の前に、
冷堂があらわれる。
気づくと、晴麻は7月8日の金曜日にもどり、
旧校舎の中にいた過去の冷堂と会う。
すくいを求められた晴麻は明かされるのだった。
冷堂の異能力の秘密を——。

❶取っ組合い【呆】

カルバンから事件についてたずねられ、
晴麻が曖昧あいまいな返事をしていたとき、
塩江しおのえ奥原おくはらカップルも二人の前に現れた。
用具室で起きた事件の犯人を、
奥原は、晴麻だと勝手に決めつけ、
いきなり暴力をるってきて緊張がはしる。
それを間近で目撃していたカルバンが、
奥原の暴走をめようとした場面シーン

七月十一日(月曜日)。
午前中の校舎裏。

みんちりえ

 仲裁しようとしたカルバンを、奥原が腕を突き出して弾く。
 後ろに押されたカルバンがよろけながら後退る。すると、足元に何か黒い物が音を立てて落ちた。
「……ん?」
 それを見て、俺はぜえぜえと荒い息で思わず疑問符を浮かべた。
 地面に落ちたそれは、明らかに拳銃だった。

《前掲書、 P.242》

——ッ!?——(呆)

け、けんじゅう?
アメリカ人の両親から勝手に持ち出したのか?
いやいや、日本には持ち込めれないか。
え? なんでカルバンが銃を持っているの?
学校に携帯してくるって、なんと物騒ぶっそうな。
塩江ちゃんが、少し残念だなあ。
文学をたしなむのに、選んだ彼氏は盆暗ぼんくら
彼女いる前で冷堂の連絡先をいていたし、
鼻持ちならない性格をしております。
テニス部で、イケメンで、モテモテ……。
そりゃ、選ぶか。
でも、カルバンも負けてない。
挿絵では、かなりイケメンに描かれてます。
いや〜、気になりますね〜。
拳銃といい、晴麻にも言えない秘密といい、
裏があってきつけられる。

❷私を助けて【茫】

校舎裏での一悶着が過ぎ去ったころ、
雨晒あまざらし状態でひとり残っていた晴麻の前に、
おなじく雨晒し状態の冷堂が現れた
しんみょうなようすの彼女のところへ、
心配した晴麻がけ寄っていた場面シーン

雨雲が覆った午前中の校舎裏。

o-dan

「私を、助けてください」
 やがて、冷堂の唇が、俺の唇と重なる。端的に言うと、キスをされた。
 (中略)
 誰かとキスをするのがトリガーという、扱いにくすぎる俺の異能力が発動する。
 時間が、巻き戻る。

《前掲書、 P.252》

——????(茫)

私を助けてください?
健康そのものの彼女が何を言ってるんだ?
重傷をったのにもかかわらず、
病院を一日で退院していた奇跡の少女です。
見舞みまいにいった晴麻も、
い入るようにしっかり確認してましたからね。
はたから見たら誤解されそうな場面です。
あんじょう、そこに宮川みやがわ愛が現れるのですが……。
それに、助けるってことは運命を変えること。
母をくすほどの不幸が訪れるんじゃ?
すごいな、これ。
どんどん興味がいてくるぞ。
もう、目がはなせない。

❸冷堂の成長【驚】

晴麻は冷堂の突然とつぜんのキスで、
三日前の七月八日にタイムリープしていた。
旧校舎の部室で目覚めざめた晴麻は、
当時、ち合う約束をしていた冷堂を発見。
彼女から自分の異能力を明かされた晴麻は、
凄惨せいさんな事故現場の後処理を一緒に行った。
その後、晴麻が冷堂についきゅうをすると、
彼女が自身の異能力について答えていた場面シーン

七月八日の夕刻。
旧校舎三階の文学研究会の部室。

「そして、私の体の成長は十六歳で止まっています。……実際の私はもう少しだけ年上です」
「もう少しって、本当は何歳なんだ?」
「…………………………二十四、です」

《前掲書、 P.267》

——えっ!? 意外。(驚)

晴麻より8歳も年上だった。
また、違うミステリが出てきましたね。
SFファンタジー・ミステリって感じ?
そこに、ファンサービスも追加。
冷堂のじるポイントがズレてて面白い。
胸部にかんしてはいたって平気なのに、
お腹だけは絶対見られたくないのです。
あと、脚の部分も。
とくにあざ怪我けがもないのにですよ。
変わってますよねえ。
いつも冷静沈着の彼女の、
意外な弱点がとても魅力的。
おまけに大食いですからね。
お腹のる音も大きいし。

ここまでの相関図

この中に犯人がいるんでしょうかねえ。
笹村を鈍器でなぐった人が。
一人とも限らないですよね。
ブラの盗難は共犯者がいれば可能ですし。
どうも、芦原あしはら伊代いよがにおうんですよ。
晴麻が聞き込みをしていたとき、
彼女の頭の回転の速さが伺えました。
犯人の特定につながる証拠を残さず、
完璧な密室を遂げていますからね。
ブラの検問も芦原が言い出していました。
絶対バレない自信があったのかもしれない。
彼女なら動機もあるように思える。
笹村という男、しつこかったみたいです。
宮島愛になんども言い寄って。
親友を守るためにやったのか?
だとすれば、どうして冷堂を?
後半が楽しみですね。

感想(前半)

つかみが抜群のラノベミステリ!

ただのミステリじゃないのが最高!
思わず笑うラブコメ要素もあるでしょ、
異能力を使うというファンタジー要素に、
時空を移動するSF感、そして——
頭脳を刺激される密室のミステリ。
ヒロインである冷堂や宮島も、
キャラ立ちしていて魅力的。
後半が早く読みたくてたまりません。
これ、一巻で解決するんですかね?
三つありますからね、密室事件。

  1. 『体育館の密室』
  2. 『更衣室の密室』
  3. 『文学研究会の密室』

ここまでが前半までの感想です。

後半の感情トリガー

【感情のトリガー↓】328~651P(スマホ)
①尾行偵察【
②犯人確定【/
③局面打開【

【トリガーの内訳】
①尾行偵察(タイムループを繰り返す)
 ├ブラのとめ【訝】(ハ?)
 ├犯行の実演【推】(マテヨ…)
 ├こわいメイド【驚】(エッ⁉︎ イガイ)
 └逆行の儀式【笑】(アハハ)
②犯人確定(あるヒントで事件の真犯人が判明する)
 ├指鳴らす音【呆】(ッ⁉︎——)
 ├未来の変化【謎】(ナゾ)
 ├Hカップ用【疑/定】(マチガイナク…/ヤッパリ)
 ├全てが解明【楽】(ウキウキ)
 ├刑事の尋問じんもん【呆】(ッ⁉︎——)
 └犯人の奇行【悲】(ナンテコッタ!)
③局面打開(困難を次々と乗り越えて解決する)
 ├冷堂の密室【訝】(ハ?)
 ├バイク乗り【凄】(スゴッ!)
 ├意外な味方【喜】(オー!)
 └まったき幕閉じ【美】(ウツクシイ)

【刺激された感情の種類:13種
幸福:★
 喜=恵まれた状況を認知する(1)
賛美:★
 美=調和のとれた神秘的な存在(1)
驚度:★★★★
 驚=予想外の出来事(1)
 呆=突然で呆気にとられる(2)
 凄=程度が甚だしくて優れてる(1)
思考★★★★★★
 訝=疑問を抱かせる言動や描写(2)
 推=謎を解く仮説を考察する(1)
 謎=行動や現象に不可解を残す(1)
 定=察した予想がピタリと一致(1)
 疑=不審な様子や証拠で疑う(1)
不幸:★
 悲=悪くなった状況を認知する(1)
攻撃:★
 笑=滑稽さを感じて可笑しい(1)
乗気:★
 楽=告知されてる出来事への期待(1)

全体を通してのプロット

A人物・世界観の説明
①晴麻のクラスに冷堂紅葉が転入する
②晴麻と同じ文学研究会に冷堂も入部する
③部員の仲間達を紹介する

a物語が始まる起点・問題
体育館用具室で密室殺人が起きる
晴麻が異能力者だと冷堂が気づく
下着の盗難が発覚する

B発生した問題への対処
①冷堂と晴麻が事件を捜査する
②事件の関係者と知り合う
③密室の盲点を探っていく

b問題の広がり・深刻化・窮地
①旧校舎で殺人未遂事件と遭遇する
②第一発見者の晴麻が友達に疑われる
③冷堂と晴麻がタイムループする
④旧校舎の事件が完璧な密室だと判明する

C人物の葛藤・苦しみ
①部員の仲間と関係者が一緒に捜査する
②冷堂の推理で仲間への疑惑が浮上する
③晴麻と冷堂が友達を偵察していく
④偵察の邪魔とタイムループの反動が表れる

c問題解決に向かう最後の決意
★ある報告で晴麻が犯人を特定する

D問題解決への行動
①晴麻達と警察が犯人の下へ向かう
②全ての密室の謎を解明していく
③犯人との死闘に決着がつく
④関係者達の視点から事件を振り返る

読了した感想

計算されつくした面白さに感服!

いや〜、綺麗に解決しましたねえ。
一人称多視点からの描写による、
けてたピースがすべてはまるこの納得感。
美しいにする作品でありました。
面白いだけじゃなかったのです。
最終目標は冷堂の父の密室解明でありますが、
ここで完結しても満足感がまだ残ってます。
時間のループ系って、好きなんですよね。

アニメの例、

  • 『サマータイムレンダ』
  • 『ひぐらしのなく頃に』
  • 『Re:ゼロから始める異世界生活』

洋画の例、

  • 『パーム・スプリングス』
  • 『ハッピー・デス・デイ』
  • 『オール・ユー・ニード・イズ・キル』

おそらく、単純接触効果じゃないかと。
サブキャラも何度も登場するから、
自然と親近感がいてくるというか、
いつの間にか好きになってることもあります。
でも、絶対、高度なテクニックですよね?
最終的な未来を確定していないと、
整合性が上手くとれないんじゃないかな。
行き当たりばったりでは書けないはず。
とくに、ミステリーならなおさら。
だから、作者の賢さがうかがえてきます。
冷堂の父親の密室事件の謎——
れいしずく先生の次作が楽しみですね。

不死探偵・冷堂紅葉 01.君とのキスは密室で』
れいしずく(著)
美和野みわのらぐ(イラスト)
SBクリエイティ
2023年7月12日発売
想像力を鍛えて脳内映像化マスターへ!

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※:執筆者の独断と偏見が含まれます。
※:本ページの情報は2023年8月時点のものです。
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