ファンタジー・アドベンチャー

『SPY×FAMILY CODE:White ノベライズ』(感情トリガー/紹介/あらすじ/感想)

前半のストーリー

ロイド――スパイ、ヨル――殺し屋、アーニャ――超能力者、そして未来予知犬のボンド。たがいに正体をかくした、かりそめの家族がここにあった。アーニャが通うイーデン校の調理実習で“星”獲得を狙うため、伝統菓子「メレメレ」を求めて家族旅行に出かけることに! でも、思わぬ大事件に巻き込まれ…!?
UNEXT

伝統菓子を求めて週末の家族旅行中、
品切れで食べれない事態に直面する。
シェフにメレメレを作ってもらう為、
フォージャー家は材料調達に奔走する。

◆登場人物
フォージャー家
ロイド……西国情報局対東課の諜報員〈黄昏〉
ヨル……〈いばら姫〉と呼ばれる殺し屋
アーニャ……心が読める超能力を持つ女の子
ボンド……未来予知能力を持つ犬

ハンドラー……黄昏の上司に当たる諜報員の管理官
ヘンリー・ヘンダーソン……アーニャのクラスの担任
ダミアン・デズモンド……政治家の次男
ベッキー・ブラックベル……おませなアーニャの友達
夜帷……ロイド先輩に片想いする諜報員
ユーリ・ブライア……ヨルの弟で秘密警察
フランキー……黄昏の協力者

『SPY×FAMILY CODE:White ノベライズ』
ワダヒトミ(著)
大河内一楼(脚本)
遠藤達哉(原作/監修/キャラ原案)
集英社
2023年12月22日発売
購入金額の最大40%が、
32日後にポイントで還元されます!

※U-NEXTポイントの消費分は対象外
詳しくは——

感情トリガーとあらすじ、場面

※:本ページの情報は2024年1月時点のものです。
  最新の配信状況はU–NEXTサイトにてご確認ください。

【感情のトリガー↓】0~159P(スマホ)
①週末の課題【ー】
②伝統の菓子【
③食材の調達【

【トリガーの内訳】
①週末の課題(娘のお菓子作りの実習に準備する)
②伝統の菓子(『メレメレ』を目の前に邪魔が現れる)
 └傲慢な大佐【呆】(ッ⁉︎——)
③食材の調達(『メレメレ』を作る材料を集める)
 └射的の裏側【酷】(ヒドッ!)

【刺激された感情の種類:2種
驚度😳:★★
 呆=突然で呆気にとられる(1)
 酷=情け容赦ない悪魔的な行動(1)

①週末の課題【ー】

あらすじ——
裏で諜報スパイ活動の勤しむロイドと、
悪人を密かに始末する殺し屋——ヨル。
その二人を親に持つ読心能力者のアーニャ。
この3人家族に加わった予知能力犬のボンド。
彼らの築いた異様な仮初家族の物語が始まる。
ロイドが進行中の任務を遂行するには、
標的ターゲットの息子が通う名門学校の“ステラ”獲得が必須。
そのチャンスがやってくる。
週明けの月曜に行われるお菓子作りの実習で、
審査員である校長の舌を満足させること。
ロイドは、アーニャに“星ステラ”を獲得させるため、
週末に料理の特訓を考える。
校長先生の好物を思い出したロイドは、
『メレメレ』という伝統菓子の味を覚えるため、
家族といっしょに週末旅行を決意する。

②伝統の菓子【呆】

あらすじ——
家族旅行することになったフォージャー家は、
フリジス行きの鉄道にのりこむ。
アーニャが車内のトイレで謎の鍵を発見すると、
ボンドが予知能力を発揮し、イメージが伝わる。
『おたから』というワードに興じたアーニャが、
イメージと同じ車両の部屋で謎の荷物を発見し、
鍵で開けたその中身を食べてしまう。
荷物の持ち主に見つかったアーニャが、
二人の男に捕まりそうになり、
様子を見に来たヨルが男達を退治する。
目的地であるフリジスのレストランに着き、
ロイドは件の『メレメレ』を注文する。
が、伝統菓子を嗅ぎつけた特別偵察連隊が現れ、
フォージャー家の『メレメレ』を奪っていく。
伝統菓子が品切れで食べれなくなってしまい、
フォージャー家は、シェフの了承を得て、
材料の調達をしに市場へむかう。

傲慢な大佐【呆】

ロイド、アーニャ、ヨル、ボンド——
のフォージャー家は、家族旅行に来ていた。
東国オスタニア首都バーリントから白い街のフリジスまで、
鉄道で渡ってきた三人と一匹は、
目的の場所であるレストランを訪れ、
お目当てのデザートにありつく——
のはずだったのだが……。
家族連れしか入店できないお店に、
部下を携える軍の大佐が我が物顔で来店し、
迷惑行為を働く場面シーンである。

雪景色におおわれたフリジス——
レストラン〈れききずなてい〉。

「申し訳ありません。メレメレは本日品切れでして……」
「何?」
 低く迫力ある声に、店内の空気が一気にピリッとした。
 そして大佐は、アーニャの目の前にあるメレメレに気づいて言う。
「あるではないか」
「あちらが最後のひとつでして」
「まだ手はつけていないようだな」
 大佐の言葉にうながされるように、軍人のひとりがスタスタとフォージャー家のテーブルに近づいて、メレメレがのった皿を手に取った。
「はうっ!?」
 びっくりして目をまんまるにするアーニャ。でも、そんなアーニャに目もくれず、メレメレを持っていってしまった。

《前掲書、 P.104~105》※スマホで閲覧

——ッ!?——

色鮮やかなフルーツカットの入った、
タルトケーキのような伝統菓子『メレメレ』。
その味や見た目を調理実習で再現できれば、
審査員であるイーデン校の校長を喜ばせ、
アーニャはステラを手に入れることができる——
かもしれないのに……。
子供の前に置かれたデザートを奪い取るとは、
なんという浅ましさ。

③食材の調達【酷】

あらすじ——
街の青空市場に着いたフォージャー家は、
一つ一つ材料を集めていく。
一方、誤解でロイドの浮気を心配するヨルは、
お酒の力で暴走してしまう。
家族の危機を感じたアーニャが、
ロイドとヨルの仲良し作戦を実行する。
フォージャー家の危機は免れ、
ロイドは、ヨルとアーニャをホテルに残し、
最後の食材を探しに行く。
その頃、伝統菓子を巡ってロイドに勝利した、
スナイデル大佐がフリジスの施設——
巨大な倉庫のような建物——に到着し、
裏切りスパイを発見して始末する。
そこに駆けつけてきた二人の部下が、
機密情報を食べられたことを大佐に報告する。

射的の裏側【酷】

『メレメレ』を大佐に食べられてしまい、
アーニャのステラゲットが遠退いていく。
想定外の不幸にあせるロイド。
翌日の日曜にもう一度来ようとしたが、
『メレメレ』の材料が届くのは月曜日だった。
アーニャの調理実習は諦めるしかない……。
そこで、ヨルから提案が挙がり、
フォージャー家は材料集めに出かけるのだった。
材料さえ仕入れてくれれば、
シェフが快く作ってくれるという。
早速、賑やかな市場にのぞみ、
ロイドが必要な材料を購入していく。
アーニャはフリーマーケットの射的屋で、
ゲームにトライしていた。
的外れの場所にコルクが当たり、
悔しがるアーニャ。
その隣で、男性が的に当てていたが、
アイテムは倒れなかった。
ふと、アーニャの頭のなかに、
店主の心の声が聞こえてきた場面シーンである。

フリジスの街にある市場——
フリーマーケット。

 けれども、弾は、棚の端に当たって弾かれて、ポコッとアーニャの頭の上に落ちた。
「…………」
 しばし、固まるアーニャ。
「くっ……なんてすばしこい やつらなんだ!」
 くやしそうに言うと、「動いてないけどな」とロイドが冷静につっこんだ。
 すぐにでも次の弾を撃ちたいアーニャ。
 でも、となりの男性が撃って、上段の怪獣のおもちゃに当たったのに、怪獣が全然倒れないのを見て、「?」と気づく。すると、カウンターごしに店主の心の声が聞こえてきて……。
(フン。むだなことを。何度やっても倒れやしないぜ。下の棚以外は、倒れないよううしろから支えてあるんだ)

《前掲書、 P.131~132》

——ひどっ!

子供に絶望を教えるとはけしからん。
でも、ロイドなら倒して見せるはず。

感想(前半)

◆ロイドの進行中の任務が……

オペレーション〈ストリクス〉が、
よく分からん人物に引き継がれるなんて……。
名門学校に通うアーニャにステラを8つ集めさせて、
選ばれしエリート達が集まる懇親会に参加し、
ドノバン・デズモンドに接触するという目的が。
ツバの広い帽子を被った女性ハンドラーから、
あっさりと任務を外されておりました。
進捗状況の悪さと予算がどうとかで……。
でも、ロイドはあきらめず、
アーニャの“ステラ”獲得のために頑張ります。
校長の好物である伝統菓子を作るために、
実際に、現地へ行って食べてみようと……
しかし、それを作るのはアーニャ。
たった1日程度の特訓で作れるものなのか?
ちなみに、レシピは教えてくれません。
シェフがそう言っておりました。
まあ、そこはロイドが上手くやって、
メレメレを完璧に仕上げるのかもしれません。

◆ヨルさんの考える妻の部分とは?

たまたまロイドが他の女性といる所を目撃し、
キスしているように見えたもんだから、
ヨルさんは気になって悶えておりました。
自分の“妻”の部分に不満があるのでは……と。
どこか浮世離れしているヨルさんは、
どんな夫婦像を思い描いているのか。
両親の愛を知らない孤児だったヨルさんは、
まだ、幼いときからフィクサーをやり、
弟ユーリーの面倒を看ていた人です。
アーニャの面倒は看れても、
ロイドを夫として愛することが分からない。
そんな感じがします。
まだ、ロイドとキスもしていないのでは?

◆クレヨンしんちゃんを思い出す

映画『暗黒タマタマ大追跡』です。
しんのすけが光る玉を拾って持ち帰り、
妹のひまわりがそれを飲み込んでしまう。
不思議な力を秘めた玉だと後から分かり、
悪い組織に追われてしまうというお譚です。
今回の『CODE:White』では、
アーニャが飲み込んでしまいます。
飴玉ではなく、チョコレートを。
国同士の戦争に発展する情報を隠したもので、
アーニャは、それを知りません。
後半は、それを回収しようとするのでしょう。
オマージュなんですかね?

後半の感情トリガー

【感情のトリガー↓】159~335P(スマホ)
①国の一大事【
②戦艦に潜入【ー】
③調理実習日【ー】

【トリガーの内訳】
①国の一大事(アーニャのお腹に命運が掛かってる)
 ├肛門の限界【嘲】(ハハ)
 ├夜帷の想い【嘲】(ハハ)
 └うんこの神【笑】(アハハ)
②戦艦に潜入(ロイドとヨルがアーニャを捜索する)
③調理実習日(アーニャがメレメレ作りに臨む)

【刺激された感情の種類:3種
攻撃👊:★★★
 笑=想定外な事象が滑稽すぎる(1)
 嘲=茶番さを小バカにした半笑い(2)

全体を通してのプロット

A人物・世界観の説明
①ロイドが、とある邸宅に潜入し、
 諜報任務を遂行する
②ヨルが、とある倉庫で男達を倒し、
 標的の息の根を止める
③相手の心が読める女の子のアーニャと、
 予知能力を持つ犬のボンドが、
 ロイドとヨルの帰宅を待っている

a物語が始まる起点・問題
ロイドのオペレーション“ストリクス”が、
 別の工作員に引き継がれてしまう

仮初の家族を演じるフォージャー家が、
 解散の危機に直面する

B発生した問題への対処
①アーニャの“ステラ”獲得を進めて、
 進捗していることを説得材料に、
 任務続行をロイドは考える
②アーニャの学校で行われるお菓子作りで、
 好成績を出すと“ステラ”が獲得できるため、
 ロイドは、週末に料理特訓を考える
③審査員の好物を思い出したロイドは、
 作り方を学ぶために家族旅行に出かける

b問題の広がり・深刻化・窮地
①旅行道中、
 アーニャが謎のチョコを食べてしまう
②本日最後の伝統菓子『メレメレ』を、
 特別偵察連隊の大佐に食べられてしまう
③大佐をスパイしていた諜報員が始末され、
 ハンドラーが機密情報マイクロフィルムの奪取を命ずる
機密情報マイクロフィルムを食べてしまっていたアーニャが、
 戦争を目論む組織に攫われてしまう

C人物の葛藤・苦しみ
①ロイドとヨルがアーニャを捜し回る
②食べたチョコの秘密を知ったアーニャが、
 便の催しに悶絶する

c問題解決に向かう最後の決意
★軍に拉致されたアーニャを連れ戻すため、
 ロイドとヨルが戦艦に潜入しようとする

D問題解決への行動
◯戦艦に潜入したロイドとヨルが、
 組織と戦い、アーニャを無事に連れ戻す

読了した感想

予想を裏切らない作品

一言で表現するならこれでしょう。
安全な施設で遊んでいる子供達を、
外の窓から窺うような微笑ましさ。
そんな印象が残りました。

◆もし次作の予定があるなら

こんなお譚を観てみたい!
ってのを二つ挙げてみましょう。

家族参加型のサバイバルゲーム
 表向きは名門校の催しで、
 優勝者には“星”が手に入る。
 厳しい大自然を通して家族の絆や、
 仲間と協力することの大切さを学ぶ。
 教育の一環であるはずなのだが、
 学校がテロリストにジャックされ、
 ガチのサバイバルで窮地に立たされる。
 ロイド達は、他のファミリーらと結託し、
 悪の組織と戦いに挑むストーリー。

異次元の世界に迷い込む冒険
 ロイドとヨルが各々の裏家業で勤しむなか、
 フランキーがアーニャの世話を担っている。
 が、ボンドの予知能力を視たアーニャが、
 ボンドと一緒に外へかけだし、
 光る絵本を見つける。
 アーニャを追いかけてきたフランキーも、
 謎の絵本の世界に迷いこんでしまい、
 元の世界に帰れなくなってしまう。
 どんな願いも一つ叶える宝を探すため、
 アーニャ、ボンド、フランキーが、
 謎解きアドベンチャーするストーリー。

スパイファミリーって、難しいですよねぇ。
ロイドとヨルの正体を明かしてはいけないから。
原作では二人とも正体を隠したままですからね。
アーニャだけなら、異次元で体験しても大丈夫。
子供の戯言と、大人は思ってくれるでしょう。
ゲームの世界やパラレルワールド、宇宙人、
タイムマシン、タイムリープ……。
それらをロイドやヨルも体験してしまうと、
原作の世界観が崩れてしまいます。
世界的にも人気のあるアニメなので、
なんとか2作目も作ってほしいですね。

SPY×FAMILY CODE:White ノベライズ』
ワダヒトミ(著)
大河内一楼(脚本)
遠藤達哉(原作/監修/キャラ原案)
集英社
2023年12月22日発売
想像力を鍛えて脳内映像化マスターへ!

雛森寧子のミステリな日々(感情トリガー/紹介/あらすじ/感想)
推しの殺人(感情トリガー/紹介/あらすじ/感想)
マッチング(感情トリガー/紹介/あらすじ/感想)
アリアドネの声(感情トリガー/紹介/あらすじ/感想)
ファラオの密室(感情トリガー/紹介/あらすじ/感想)

※:執筆者の独断と偏見が含まれます。
※:本ページの情報は2024年1月時点のものです。
  最新の配信状況はU–NEXTサイトにてご確認ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました